サッカーのFIFAワールドカップ(W杯)カタール大会1次リーグで27日に日本が対戦するコスタリカと、長年交流を続ける自治体がある。長野県南部にある松川町だ。コスタリカとは、国際協力機構(JICA)の農業研修事業で研修員を受け入れた縁があるほか、東京五輪(オリンピック)・パラリンピックでは同国のホストタウンとなり、交流の輪がさらに広がった。

ホストタウン事業では現地の文化や料理などを紹介したり、大使との交流、大会期間中は町を訪れた選手が中学生と伝統芸能やトークを楽しむなどの企画も行った。コロナ禍でオンラインの行事もあったが、同町教育委員会生涯学習課によると、ホストタウン事業は50以上にのぼるという。

町民は、コスタリカの文化などに触れながら交流を深めた。大澤達也係長は「大使も明るい方。お話ししていて楽しい」と話す。

27日は、町内の公民館で試合のテレビ中継を観戦するパブリックビューイング(PV)を開く。東京の駐日大使ともオンラインでつなぎ、いっしょに応援する。町民には、日本、コスタリカそれぞれを推す声があるようで、白熱したPVになりそうだ。【中山知子】

◆長野県松川町 県南部・下伊那郡の最北部にあり、総面積72・79平方キロメートル。梨やりんごなど果樹栽培がさかん。14年「第1回全国丼グランプリ」ご当地丼部門では、名物の「ごぼとん丼」が金賞を受賞。人口1万2564人(20年4月1日現在)。宮下智博町長