5日午後、震度6強の地震が観測された石川県能登半島の先端にある珠洲市では、徐々に被害が明らかになってきた。

同市蛸島町にある勝安寺の関係者によると、同寺では墓が約20基ほど倒れており、室内でもたんすが倒れたり、玄関のサッシが動かなくなったりしたという。幸いけが人などはいなかった。同市は昨年6月にも震度6弱の地震に見舞われており「今回の揺れは長かった。6弱と6強の違いはすごいなと思いました。片付けも、どこから手をつけていいか分からない状態です」(関係者)と話す。同寺の近くでも、神社の鳥居が倒れたり、窓や玄関の扉が外れた住宅も少なくないという。時間の経過とともに、さらに被害が明らかになりそうな状況だ。

軍艦に似た独特な形状で知られる鵜飼海岸の観光名所、見附島(みつけじま)では、地震発生時に島から大きな土煙が上がり、壁面の一部などがわずかに崩れた。SNSには居合わせた人が撮影した動画が投稿され、土煙に包まれる島と、踏み石を伝って対岸に避難する観光客の姿が確認できた。近くの食堂の関係者は、島の崩れ方の程度について「分からないくらい」とし、形は変わったようには見えないと話した。店や発生時にいた客に、被害などはなかったという。