自動車保険の保険金不正請求問題をめぐり、中古車販売大手ビッグモーター(東京)が25日、都内で開いた記者会見で辞任を表明した兼重宏行社長が、不正請求行為を「知らなかった」と発言したことに関して、「社員のせい」というワードがトレンド入りした。

また、かつて経営破綻した山一証券の社長が、会見で「社員は悪くありませんから」と涙で訴えたこととの違いを指摘する声もインターネット上で上がった。

この日の会見で、兼重社長は自身を含む経営陣の関与を否定。「現場に入ってよく見ておけばよかった」「事実関係を確認中ですが、分かり次第、刑事告訴を含む厳正な対処をしたいと考えています」などと強調した。この発言を念頭に、ネット上では、一連の不正請求問題を社員のせいにしているのではないかとする指摘が、次々と上がった。

一方、1997年11月、山一証券が自主廃業するに当たって記者会見を開いた当時の野沢正平社長が、「社員にはどう説明するのですか」と質問された際、涙ながらに「私ら(経営陣)が悪いんであって、社員は悪くありませんから」「私らが悪いんです。社員は悪くございません」と繰り返し、今後をおもんぱかって社員をかばう様子が大きな話題になり、今も語り継がれている。

ネット上には、兼重社長の会見を見て、野沢氏の会見を思い出したというコメントが多く「今思えば、山一証券の社長は立派だったな」「ビッグモーターの社長は山一証券の社長を見習ってくれ」「ビッグモーター代表、兼重氏 山一証券最後の代表、野沢正平氏の言葉を改めて聞き直してもらいたい」などのコメントも寄せられていた。

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