国会議員生活40年を迎えた日本維新の会の鈴木宗男参院議員(75)は29日夜、都内のホテルで開いた「叱咤激励する会」であいさつし、自身の活動を支え、今年結婚50年を迎えた典子夫人に、感謝の念を伝えた。

「私事ですが」と切り出した宗男氏は、金婚式となる結婚50年に言及。「よくぞ逃げなかったと感謝している。(あっせん収賄などで)私が逮捕される時も収監される時も、しっかり守るべきものを守ってくれた」と謝意を示した。

また、自身の今後にも言及。「女房からは早く辞めなさいと、朝に夜に言われる」としながらも「国民が(選挙で)判断することだ。私はバッジがあろうがなかろうが生涯、政治家として歩んでいく」と決意を示した。参院議員の任期は2年あまり。「2年後にどういう状況か、女房がどういう心変わりをするか、(娘の)鈴木貴子がどう思っているかを忖度(そんたく)しながら(進退を)判断していきたい」と述べた。

典子夫人もあいさつに立ち、宗男氏に「(残り任期の)2年は、燃え尽きるほど頑張ってほしい」と述べた上で「その姿を見ながら、娘には父親のような心の通う政治家になってほしい」と、司会を務めた自民党の鈴木貴子衆院議員にも呼びかけた。

一方、宗男氏は、長年携わってきたロシアとの関係を念頭に「日本には『遠くの親戚より近くの他人』という言葉がある。アメリカは同盟関係だから親戚だが、離れている。遠くの親戚より、近くの他人と折り合いを付けなければならないのではないか」と指摘した。

「中国、韓国、北朝鮮、ロシアは(日本に近い)隣国だ。我々は、隣にいやな人が来たら引っ越せるしあいさつしなくても済むが、国と国は引っ越しできない。折り合いをつけるしかない。それが政治家の考えるべき使命、果たすべき役割ではないか」と訴えた。

また「歴史を勉強しないで断面だけを見てこちらがいい、悪い、と判断するのは、真の政治家ではない。私は外交が積み重ねた歴史の重みを考えながら、行動してきた。正しい歴史認識の上で、正しい判断をしていきたい。感情でいい、悪いを言ってはいけない」と持論を訴えた。

会には代表世話人の歌手松山千春や親交がある日本相撲協会の八角理事長のほか、伊吹文明元衆院議長、自民党の森山裕総務会長、盟友の作家佐藤優氏らが出席した。