プロ野球・阪神タイガースの38年ぶりの日本一王手に大阪・ミナミの道頓堀が3日、“厳戒態勢”に突入した。大阪の老舗の串カツ店「串かつだるま」のシンボル像「だるま大臣」は万一に備えて救命胴衣を着用した。大阪府警は4日オリックスとの日本シリーズ第6戦(京セラドーム大阪)の開始時刻から1300人態勢で警備に当たる。

阪神の38年ぶり日本一へ、戎橋近くの「串かつだるま 道頓堀店」の店頭に立つシンボル像「だるま大臣」が“厳戒態勢”に入った。同店の中島隆晴店長(40)は「カーネル・サンダース人形の例もあるので…」とつぶやいた。

カーネル・サンダース人形は、85年に阪神がリーグ優勝した際に、「主砲のランディ・バースに似ている」と、熱狂的なファンがケンタッキーフライドチキン道頓堀店(閉店)のカーネル人形を胴上げし、道頓堀川に投げ込んだ。行方不明となり、チームはその後、日本一から遠ざかり、「カーネルの呪い」とささやかれた。

こわもての職人をイメージした「だるま大臣」は阪神の主力選手に似ているわけではないが、万一にも「だるまの呪い」にならないように「もしものとき、浮き上がってもらえるようにという思いを込めて、救命胴衣をつけさせていただいた」と中島店長。足元には持ち去りを防ぐためプラスチック製の黄色のコーン標識に鎖をつけた。

道頓堀はくいだおれ太郎や、ユニークな人形や看板の聖地でもある。阪神の日本一決定時には“店内避難”する人形も。一方で避難できないのが戎橋南側の「かに道楽」道頓堀本店に固定設置されている名物の動く巨大カニ看板だ。03年星野阪神の優勝時、両目玉が“強奪”された。カニを守るための警備強化について、同店は「警備員を配置することで刺激してもいけないので、通常通りです。だれも上らないことを祈るばかりです」。状況に応じて、閉店時間を早めることを検討している。

阪神が日本一を決めた場合に備え、大阪府警は大阪市の繁華街・ミナミを中心に、9月の阪神のリーグ優勝時と同規模の約1300人の厳戒態勢を敷く。【松浦隆司】