立憲民主党の岡田克也元外相は24日付で配信した自身のメールマガジンで、高市早苗首相から、台湾有事は集団的自衛権を行使できる「存立危機事態」になり得るとの答弁を国会で引き出した際の思いをつづった。首相の発言について「全く不用意な発言であり、私自身びっくりしました」とした上で、この時のやりとりを通じて「高市総理が国民の生命と暮らしがかかった重大な局面で賢明な判断ができる人物なのかと」と思ったとも記し、首相としての「資質」に疑問を投げかけた。
民主党政権時代に外相を務めた岡田氏は今月7日の衆院予算委員会で、「どういう場合に存立危機事態になるか」と、高市首相に問うた。首相答弁を受けて中国との外交問題に発展したことで、首相の答弁を引き出した岡田氏に批判が出る異例の展開にまでなっている。
岡田氏が配信したのは21日付のブログ。「存立危機事態-簡単に戦争始めると言うな」のタイトル。全文は以下の通り。
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10年前の安全保障法制によって、存立危機事態、即ち日本の存立が脅かされ、国民の基本的な人権が根底から覆される明白な危険がある場合には、限定的に武力の行使が認められることになりました。日本が攻撃された場合に限って武力行使が可能という、それまでの憲法解釈を変えての大転換でした。
私が11月7日の予算委員会でまず確認したのは、10年前の法案審議の際の法制局長官答弁です。「我が国防衛のための必要最小限度の武力の行使にとどまる」「他国にまで行って戦うなどという海外での武力行使を認めるものではありません」などが維持されていることが高市総理の答弁で確認されました。
次に、台湾有事の場合を問いました。私は、「台湾有事は日本有事」などの軽々しい発言が自民党幹部から相次いでいることに危機感を持っています。法律に定めた「日本の存立が脅かされる」「国民の権利が根底から覆される」に加えて、先ほどの法制局長官答弁を踏まえた慎重な答弁を求めた訳です。
高市総理は当初は慎重に発言していましたが、突然、「武力行使を伴うものであれば、これはどう考えても存立危機事態になりうるケースであると私は考える」と踏み込んだのです。日本の存立が危うくなってはじめて存立危機事態になるにもかかわらず、それに言及しない全く不用意な発言であり、私自身びっくりしました。
存立危機事態と認定するということは、日本が武力行使する、即ち戦争を始めるということです。日本に反撃があり、国民の多くの命が失われる可能性があります。安易に総理大臣が言うことでは絶対にありません。
この間のやりとりで私が思ったのは、高市総理が国民の生命と暮らしがかかった重大な局面で賢明な判断ができる人物なのかということです。果たして日本のトップリーダーとして適格性があるのか、深刻な疑問を感じています。
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高市首相は10日の衆院予算委員会で、岡田氏の質問に対する自身の答弁について「台湾海峡をめぐる最悪の事態も想定し少し具体的に答弁した」と述べた上で、今後は「特定のケースを想定し、この場で明言することは慎みたい」と口にした。発言の撤回を再三求められたが、拒否した。
中国側の反発は激しさを増しており、自国民に日本への渡航自粛を呼び掛けているほか、日本政府に、日本産水産物の輸入再開手続きの見合わせを通告し、事実上の輸入停止措置をとるなどしている。

