将棋界の新旧レジェンド棋士、藤井聡太6冠(竜王・名人・王位・棋聖・棋王・王将=23)と羽生善治九段(55)が、29日放送のNHK-Eテレ「ETV特集 藤井聡太と羽生善治 対談 一手先の世界へ」(土曜午後11時)に出演した。番組の最後に「2人にとって将棋は」という問いに、藤井は「ゲーム」、羽生は「道」と色紙に書いた。
「ゲーム」というのは1990年代に羽生が発言した言葉でもある。当時は将棋の強さ=人間力とされており、遊んだり趣味を極めることも「芸の肥やし」と見なされていた。
タイトル獲得通算99期、96年には7大タイトル全制覇(竜王・名人・王位・王座・棋聖・棋王・王将、当時まだ叡王は創設されていない)を果たした羽生はその真意について、「遊んだり、違うことをやる経験も大切なんですけど、それを言い訳にしてはいけないと思っているんですね。そういうのも大切なんだけど、将棋は将棋としてやっていく方がいいんじゃないかなと思っていたので。ただ、ちょっと言葉足らずなところがあって、先輩たちに反感を買った可能性はかなりあるんじゃないかなぁと。今となって振り返っては、若気の至りで思うところはあります」と苦笑いした。
そんな羽生の発言を受けて藤井は、「羽生九段の言葉もありましたけど、将棋は本当に難しいゲーム。今の時点でも全然理解できていないと感じることが多いので。それが複雑であっても、強くなることで理解が深まり、新たな可能性、違った景色が盤上において見られるのではないかな」と話した。
26日に通算1600勝としたこの道40年の羽生は、「ゴールがないというか、あるのかもしれないですけど。たどり着けないという意味で書いています。あと、脈々と続いていくという感覚が近いかな。これからも続いていってほしいという感覚で書きました」と説明していた。

