こんにちは。今週は、レネ・ピーヒュレク騎手の日本での初勝利についてお話をしたいと思います。ピーヒュレク騎手についてですが、ここからはいつも私が呼んでいる「レネ」と書かせていただきます。

中山12Rで勝利して初勝利のボードを掲げるルメール騎手(左)と写真に納まるピーヒュレク騎手(撮影・丹羽敏通)
中山12Rで勝利して初勝利のボードを掲げるルメール騎手(左)と写真に納まるピーヒュレク騎手(撮影・丹羽敏通)

レネは14日の中山最終レースで大和田厩舎のロゼルに騎乗し、ついに日本で初勝利を飾る事ができました。来日後2週目、32戦目での勝利となりましたが、レネと私にとってはこの2週間が非常に長く感じました。日本競馬へのアジャストで特に苦労した点は、ポジショニングとペース判断です。これまで来日した他の外国人騎手達もよく話していましたが、中山競馬場はとてもトリッキーな形態で非常に難しいコースです。

中山12R、4歳上1勝クラスを制したロゼルの口取りをするピーヒュレク騎手(撮影・丹羽敏通)
中山12R、4歳上1勝クラスを制したロゼルの口取りをするピーヒュレク騎手(撮影・丹羽敏通)

凱旋門賞が行われるパリロンシャン競馬場などもよくトリッキーと言われますが、どちらも騎乗経験のある騎手達は、中山競馬場の方がより難しいと答えることが多いです。理由の1つに3コーナーから4コーナーの角度があります。最後の直線に入るコーナーは、映像で見ると結構角度があるように映りますが、実際に騎乗しているとそれほどシャープに感じないようで、その錯覚により馬とともに外に膨れやすいです。この感覚をレースの中で感じて覚える事に苦労します。ちなみに、レネが来日後、最も苦労しなかったのは食です(笑い)。

中山12R、4歳上1勝クラスを制したロゼルとピーヒュレク騎手(撮影・丹羽敏通)
中山12R、4歳上1勝クラスを制したロゼルとピーヒュレク騎手(撮影・丹羽敏通)

初勝利で日本競馬でのスタートラインに立つ事ができ、本人も少しホッとしたと思います。そして、勝利後に日本の競馬ファンの皆さまと直接交流出来た事に感動していました。レネは、ファンの皆さまが自分にたくさん声をかけてくださった時に、涙が込み上げてきたそうです。これまでずっとミナリク騎手から語られていた日本の舞台で、ついに自分自身がその経験を得る事ができ、10年間の夢をかみしめています。今後も、ぜひ競馬場での応援をお願いします。(レースホースコーディネーター)