ジャスパークローネが機先を制した。団野騎手は好スタートを決めると、最初の100メートルほど手綱をしごいてハナに立つ。内からテイエムスパーダ、サンキューユウガ、マッドクールが並びかけてきても譲らない。「絶対に行く」という気迫が、他馬を控えさせて流れを単調にした。

2ハロン目こそ10秒7の高速ラップを刻むも、3ハロン目は11秒1にペースダウン。前半3ハロン33秒7は同日の1勝クラスより0秒1遅い。手綱を激しく押して主導権を奪ったことで、他のジョッキーに「これは速い」と思わせる効果があった。

しかも単勝7番人気でマークは軽い。後ろの有力馬は流れが落ち着いたのが分かっても、なかなか深追いできない。そこに粘り込めた大きな要因がある。上がり3ハロンは33秒5。前半より0秒2速い後傾ラップ。後方から最速33秒0の脚で追い込んだエイシンスポッター(6着)でも掲示板に乗れなかった。

最初の飛び出しでハイペースと幻惑させた団野騎手の絶妙なペース配分が逃走Vにつながった。

CBC賞を制したジャスパークローネの頭をなでる団野大成騎手(撮影・森本幸一)
CBC賞を制したジャスパークローネの頭をなでる団野大成騎手(撮影・森本幸一)