いまにし亭(以下い) 「大井の帝王」的場文男騎手(67)が、騎手生活51年目に入った。

熊 「五十年」と聞いて思うのは、織田信長が桶狭間の戦いに臨む前に舞った「幸若舞」の「敦盛」にある「人間五十年 下天の内をくらぶれば 夢幻(ゆめまぼろし)のごとくなり」。

い 分かりやすく言えば「人の世の50年など、天上界(つまり人間世界ではない架空の世界)ではあっという間のこと。取るに足りない」というくらいの意味かな。

熊 的場騎手が生きてきたのは厳しい勝負の世界。ただ長くやって来ただけではない。地方競馬歴代最多7419(16日現在)の勝利も重ねてきた。

い 「ゆめまぼろし」とは対極にあるな。信長よりさらに古い時代に著された「徒然草」では「修業を重ねて50歳になってもものにならなければ、諦めた方がいい」なんてことを言っている。

熊 もうすぐ70歳になろうかという的場がなしてきた業績とは正反対。

い 日本競馬史に壮大な足跡を残した「帝王」は、日本の古典を超えているね。その「軌跡」は「奇跡」と言ってもいい。よって今日の狙いは9Rイデアノキセキ。3連複で(1)-(2)(3)(7)(4)(6)。

【今西和弘】