JBCまであと2日。昨年のスプリントを断念した大井のギシギシ(牡5、栗田裕)は2年越しの挑戦。鞍上は8月8日の大けがからの復帰を果たした主戦の矢野貴之騎手(39)だ。

「これのために頑張らせてもらったので」。3年ぶりの地元開催。その3年前にサブノジュニアでスプリントを制した勝ち方を知る男が、全治半年と言われた右足首の粉砕骨折から3カ月もたたない10月29日、今開催の初日に実戦での騎乗を再開した。「まだ松葉づえをついている時に裕光先生(栗田裕師)に『おまえしか考えていないから』と言っていただいて。それが大きなモチベーション。どれだけやれるか、自信はなかったですけど、間に合わせようという気持ちで、いろいろ(リハビリなど)やらせてもらいました」。

復帰初日は2鞍の騎乗で4、3着だが「思ったよりも乗れるなと。足に関しては不安はなくなりました。心臓的にも(トレーニングを)やってきてよかったなという感じがします」と笑顔もこぼれた。6日目の大一番に向けては「あとは数をこなしてどんなものか。体を見ながら、自分で調整して、しっかり乗れるよう頑張ります」。【牛山基康】