カタール遠征を終えた笹川翼騎手(29)。当初の騎乗数は15日に2鞍、16日に2鞍の予定だったが、17日に1鞍が加わり、3日間で5鞍に騎乗した。3着が最高で今回は海外初勝利こそならなかったが、川島光司マネジャー(30)との二人三脚でゼロからのスタートでなしえたもの。昨年の南関東リーディングの新たな挑戦を数回に分けて振り返りたい。

15日のアルライヤン競馬場。カタールでの初騎乗を前にまずは裁決から説明を受け、4Rのサラブレッド3歳サンドCS(ダート1700メートル)に臨んだ。ランバート(せん3、父デューデリジェンス)に騎乗。外の4、5番手から手応え十分に最後のコーナーを回ってきたように見えたが、直線で失速した。「3コーナーぐらいまではよかったんですけど、そこからギアが変わらなかった。距離も長いのかもしれない」。結果は14着。しんがり負けだったが、見せ場はあった。

その約1時間半後、次の前検量を前にした2人が複雑な表情で立っていた。なんと騎乗停止の制裁を受けたという。スタート後のわずかな内斜行が理由とのこと。日本よりも想像以上に厳しいカタールの裁決の洗礼を受けた。【牛山基康】