<高松宮記念>◇30日=中京◇G1◇芝1200メートル◇4歳上◇出走18頭

いい位置を取って、いい位置を維持する。1分と少しで決まる6ハロン戦においては特に重要です。サトノレーヴは3番手にも付けられそうな抜群のスタートを決めて、モレイラ騎手が少し下げました。絶好といえる好位勢の直後です。ただ、外から何頭か前へ行った時に、かぶせられてズルズル下がると厳しいなと思いましたが、さすが名手。開いたところへスッと馬を入れながら、その位置を直線までキープしました。

前半3ハロンは33秒8。平均ペースでしたが、良発表とはいえ少し水分を含んだ馬場を考えると、前の馬には若干厳しいペースでした。特に2ハロン目のラップ10秒2は速い。先行勢にはこれがボディーブローのように効いたはずで、結果的に、そこでいったん下げていたモレイラ騎手の判断は見事でした。ただし、冒頭の通り必要以上には下げず、最大のライバル、ナムラクレアより2列ほど前を維持。結果的に上がりは1着レーヴが33秒4、2着クレアが最速33秒3で3/4馬身差ですから、いい位置を取って、キープしたことが1つの勝因でした。

それにしてもサトノレーヴという馬は落ち着いていて、大物感がありますね。検量室前で微動だにしない様子には、英ダービーのゴール直後の光景を思い浮かべました。大勢の関係者に囲まれ、お尻をたたかれて祝福されても、馬は堂々として動かない。あの何とも誇らしいシーンが重なりました。6歳という年齢もあるかと思いますが、厩舎のしつけもあるでしょう。半兄のハクサンムーンは旋回癖のある難しい馬でした。非凡なスピードはきょうだい共通ですが、気性面は対照的な印象を受けました。

ナムラクレアは3年連続の2着。能力は間違いありませんが、勝てそうで勝てないのは運の部分が大きいと思います。これだけ走る馬ですから当然、繁殖馬としても期待されますが、何とか1つ、G1タイトルを取ってほしいと願ってやみません。3着ママコチャは前走オーシャンS勝ちで復調を示した通り、力を見せました。(JRA元調教師)

中京11R、サトノレーヴで高松宮記念を制しファンの声援に手を振るモレイラ騎手(撮影・白石智彦)
中京11R、サトノレーヴで高松宮記念を制しファンの声援に手を振るモレイラ騎手(撮影・白石智彦)