皆様いかがお過ごしでしょうか。

前回、夏の思い出・函館珍道中を書きましたが、先日、小倉にも行ってまいりました。そのお話はまたの機会に書くとして(書かんのかい)、函館も小倉の旅も「ある目的」があって行ってまいりました。

それは【再会】。現役時代、お世話になった方に産駒と会いに行くというのが旅のテーマでした。そう考えると、今年の私にとっても【再会】というのは大きなテーマになっているような気がします。

産駒と園の親子遠足に参加したら、厩務員さん時代に一番お世話になった獣医師さんに5年ぶりにお会いしたり、近くのスーパーで産駒と買い物をしているとばったり、昔グリーンチャンネルでリポーターをされていた東奈緒美ちゃんと遭遇したりしました。奈緒美ちゃんは今も司会などのお仕事をされているので、ビシッとされていてきれいなのに、私は寝癖・スッピンでいたので、いつ誰に会うかわからないし気を抜いたらあかんと反省(笑い)。2年ぶりの再会はお互いの産駒が大きくなっている事に驚きながら、「夏休み終わったらランチしようね」と約束をしました。

また別の日は買い物をして荷物を車に積んでいると、目の前に高級車が止まりました。こんなカッコイイ車に乗っている知り合いいたかな。なんて思っていると窓が開き「ちあきっち、100均で買い物してたやろー」と笑顔で話しかけられました。

その方は高田潤騎手(写真)。厩務員さん時代にとてもお世話になった先輩です。厩務員さんを辞めてからも何度かお会いする事はあったのですが、高田騎手が昨年大きなけがをされてから会うのは初めてでした。

高田騎手のブログや相方さんから状況などを聞いていたので、回復にむかっていはるのは知っていましたが、実際に高田騎手が笑顔で運転されている姿を見てうれしくて泣きそうになっていたことはばれていないはずです(笑い)。「顔を見られて話せてよかった。またね!」と言い、その場を離れました。だいぶ泣いてしまいそうだったので(笑い)。その翌日「ちあきっち、昨日誕生日やったんやん。おめでとう」ときっちりメールでも泣かせにくる高田先輩、さすがやなと思いました(笑い)。

また別の日の、とある月曜日。お休みだった相方さんが一緒に産駒を園に送ると言うので3人で歩いていると、対面からも同じ様に歩くご家族がいはりました。私は産駒に気を取られていたので気付かなかったのですが、歩いてきたご家族の旦那様が「あ!」といわはったので顔をあげると、そこにいはったのは白浜騎手ご一家でした。

白浜騎手は私が厩務員さん時代に初めて担当した障害馬と、現役最後に担当した障害馬の調教・レースに騎乗していただいたご縁があります。それだけではなく、私がへいはた牧場で修業させていただいている時、生産馬であるレガシーロック号が東京ハイジャンプや小倉サマージャンプで優勝した時の背中にいはったのが白浜騎手で、私にとっては憧れで尊敬する騎手さんなのです。

白浜騎手とのご縁はそれだけでなくて、奥様である坪ちゃん(旧姓で呼ばせていただいているので、コラムはこのまま書かせていただきます)は厩務員さん時代から仲良くしていただいています。

坪ちゃんは、競馬ファンならご存じの方も多いのではないでしょうか。福永祐一調教師が騎手さん時代、バレットさんやマネジメントをされていたのが彼女でした。白浜騎手とは厩務員さんを辞めてからなので7年ぶり、坪ちゃんとは産駒が生まれた時に会ったりしていましたが、4年ぶり(くらいだと思う)の再会でした。

白浜騎手も昨年、レース中に大きなけがをされて休養中です。ちょうどそのレースをテレビで見ていた私は落馬された瞬間「これはあまり良い落ち方ではない」と感じました。すぐに坪ちゃんに連絡しようかと迷っていると相方さんが「今大変な時やから、手を煩わせることはしない方がいい。状況は僕にも入ってくるから、ちゃんと伝えるし、落ち着き」と言われたのを思い出します。白浜騎手の事も坪ちゃんの事も気になりつつ、連絡を取ったのはそれから半月たった後でした。

坪ちゃんから聞く白浜騎手の状況はとても壮絶で、どんな言葉をかけたら良いのかわからず、自分の語彙(ごい)力のなさを痛感しました。そんな状況の中でも坪ちゃんは前向きで真っすぐ言葉を届けてくれはりました。私に心配をかけないようにと坪ちゃんのお心遣いだったのかもしれません。でも、その言葉を聞いて少し安心していました。坪ちゃんはいつ見てもチャーミングで、同じ女性として憧れていました。しかし今回の件で言葉をかわしていると、坪ちゃんの強さや覚悟を感じて、彼女の魅力はこうして内面から出てくる美しさなんやなと改めて大好きになったし、ますます尊敬しました。

なので偶然再会できた時、白浜騎手と坪ちゃんが笑顔で歩いている姿を見られて、泣きそうになったのはいうまでもありません。私、結構泣き虫なんです(笑い)。高田騎手も白浜騎手も見た感じは大きなけがをしたようには見えないくらい回復されていますが、それはご本人たちにしかわからない努力があったからだと思います。おふたりの姿をまたターフで見られることを願いながら、私は今日も競馬を楽しみたいと思います。

さて今回はスプリンターズS・凱旋門賞。秋のG1が【再開】いたします。暑い夏を乗り越えたお馬さんたちの戦いを、熱く応援したいと思います。

それでは今回はこのあたりで。ごきげんよう。

左が坪ちゃんで、右が白浜騎手です
左が坪ちゃんで、右が白浜騎手です
左は厩務員時代の私で、右が坪ちゃんです
左は厩務員時代の私で、右が坪ちゃんです