G1朝日杯FSには3頭の外国産馬が出走します。
人気のレイベリングとティニア(アイルランド産で生産者はノースヒルズ)はなじみのフランケル産駒。もう1頭のフロムダスクはあまりなじみのないボルトドーロの産駒です。
英国にけい養されているフランケルは、その初年度産駒からG1阪神JFに勝ったソウルスターリングを送り、4世代目の産駒から出たクアドリラテラルは英国の2歳G1フィリーズマイルを制してカルティエ賞最優2歳牝馬に選ばれました。牡馬ではグレナディアガーズが20年のG1朝日杯FSをレコード勝ちし、英国のカルディアンは今年、4連勝でG1デューハーストSを制し、来年のG1英2000ギニーの有力候補になっています。レイベリング(1戦1勝)、ティニア(2戦1勝)はともにキャリアこそ浅いものの、この血統から勝って不思議ない馬と言えそうです。
◆問題 フロムダスクの父ボルトドーロです。ボルトドーロとはどんな馬なのでしょうか。
結論から先に言えば、ボルトドーロは2歳競馬に向いたスピードが光る、今売り出し中の新鋭種牡馬です。
ボルトドーロの父メダーリアドーロはチャンピオン牝馬のレイチェルアレクサンドラやソングバード、日本で種牡馬になったタリススマニック、それに香港のゴールデンシックスティなどを送るサドラーズウェルズ系の人気種牡馬。母のグローブトロットは米国で3勝。その父はなじみのエーピーインディで、ボルトドーロの半兄にはG1ウッドワードハンデ、G3ピーターパンSなど重賞3勝のグローバルキャンペーン(父カーリン)がいる良血馬です。
ボルトドーロの競走成績は8戦4勝。2歳時はデビュー勝ちから臨んだG1デルマーフューチュリティ(ダート1400メートル)に優勝、続くG1フロントランナーS(ダート1700メートル)も制して3連勝。4戦目に挑んだG1ブリーダーズカップジュヴェナイル(ダート1700メートル)は単勝1・6倍の1番人気に推されましたが、後方に控える作戦が裏目に出て、勝ったグッドマジックから5馬身1/4差の3着になりました。3歳時は初戦のG2サンフェリペSに優勝、2戦目のG1サンタアニタダービーは、後に3冠馬となるジャスティファイの2着し、G1ケンタッキーダービーは5番人気で12着。古馬に挑んだG1メトロポリタンハンデは果敢に先行したものの11頭立てのしんがりに敗れ、現役を去りました。
19年にケンタッキーで種牡馬になったボルトドーロの初年度産駒は今年デビュー。産駒のG1勝ちこそないものの、G2ケンタッキージョッキークラブカップを制したインスタントコーヒーなど3頭が重賞勝ち馬となって、22年のフレッシュマンサイアーチャンピオンはグッドマジックやジャスティファイを抑えて首位を走り、2歳種牡馬ランキングでもイントゥミスチーフに次ぐ2位となって一躍、脚光を集めています。
注目すべきはメジャーデュード、バッピーオーがともに芝の1700メートルの重賞を制していること。前者はG2ピルグリムSで直線差し返す勝負根性を披露。早熟なだけでない勝負強さを光らせています。
そこでフロムダスク。芝向きでしぶといジャイアンツコーズウェイの血を母系に持つボルトドーロ産駒にも穴馬の資格がありそうです。確かに前走のG2京王杯2歳Sは逃げてオオバンブルマイの2着でしたが、「ゲート練習もしてきましたし、今の精神状態をレースまで維持できれば、千六の距離もこなせるでしょう」(森厩舎・清水助手)というコメントからも、注意以上のものが必要と思わせます。
フランケル産駒も合わせ、3頭の外国産馬が日曜のG1朝日杯FSを面白くしてくれそうです。(ターフライター奥野庸介)
※成績などは16日現在。



