サウジカップまであと3週間となりました。現段階で出走が確定させているのはフルゲート14頭のうち、日本のウシュバテソーロ、デルマソトガケを含め8頭。残りの枠は直前に参戦を決める欧州や、近隣の中東国からの馬により埋められることになりそうです。

日本馬のライバルとなる馬たちの顔ぶれを簡単に紹介しておきましょう。

◆ホワイトアバリオ(牡5、父レースデイ、R・ダトローJr.厩舎)

昨年のG1ブリーダーズカップクラシックの覇者で通算成績は15戦7勝。禁止薬物使用のペナルティーで10年間の競馬関与停止期間から復職したリック・ダトローJr.調教師の管理馬です。ピンフッカーが1歳のセリで落札した価格はわずか7500ドル(約109万円)でしたが、デビューするやG1フロリダダービー、G1ホイットニーSなど3つの重賞を制し、ブリーダーズカップではハイペースを好位で追走、最終コーナーで先頭に立って、追い上げたデルマソトガケを退けました。年末にサウジのファイサル殿下に一部所有権が譲渡され、サウジカップにはミシュリフと同じ殿下のえんじの勝負服で出走することが決まっています。

◆アレイビアンナイト(牡4、父アンクルモー、B・バファート厩舎)

G1パシフィッククラシックSなど5戦3勝。ブリーダーズカップクラシックはホワイトアバリオから約2馬身半差の4着でした。ダート2000メートルのパシフィッククラシックSでは最初の800メートルを46秒80のハイペースで飛ばし、ゴーロケットライドの追い込みを首差振り切りました。こちらは2歳トレーニングセールで230万ドル(約3億3400万円)の高馬です。日本にアラビアンナイトという名前の馬がいるため、これと区別するため馬名表記はアレイビアンナイトとなっています。


◆ナショナルトレジャー(牡4、父クオリティロード、B・バファート厩舎)

昨年のG1プリークネスSの優勝馬。1月24日に行われたG1ペガサスワールドカップを制しての参戦です。通算成績は11戦3勝。ペガサスワールドカップでは激しい主導権争いを制して後続の末脚を振り切っています。ペガサスワールドカップの優勝からサウジカップに挑んだ馬は過去に2頭。20年ムーチョグストは4着、21年ニックスゴーも4着でした。


◆サウジクラウン(牡4、父オールウェイズドリーミング、B・コックス厩舎)

7戦4勝、2着2回。G1ブリーダーズカップクラシックはホワイトアバリオから2秒以上離された10着でした。今年初戦となった1月20日のG1ルイジアナSを約6馬身差で快勝しての参戦となります。馬主はサウジアラビアの石油関連企業FMQを率いるモハメド・アルカターニ氏。


◆アルジールス(セン7、父シャマーダル、S&E・クリスフォード厩舎)

昨年のG1ドバイワールドカップでウシュバテソーロの2着に健闘しました。22戦7勝で、重賞はUAEで3勝。ゴドルフィンの生産所有馬としてデビューし、現在はサウジアラビア王族が関与するラバンブラッドストックが所有しています。英国のサイモン&エド・クリスフォード親子の管理馬で、一昨年夏に去勢手術を受けると、その後は7戦3勝、2着3回と成績を安定させています。主戦場はUAEです。


◆ホイストザゴールド(牡5、父マインシャフト、D・ステュワート厩舎)

G1ペガサスワールドカップ4着。昨年はダート1200メートルと1600メートルの重賞に2勝、5月のG1チャーチルダウンズS(ダート1400メートル)では年度代表馬になったコディーズウィッシュの2着しています。通算成績は21戦4勝。馬主は13年のG1ブリーダーズカップクラシックを制したムーチョマッチョマンで知られる米国の共有馬主組織のドリームワンチームレーシングです。(ターフライター奥野庸介)

※競走成績などは2024年2月1日現在

今年も正月は志の輔落語でした
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