いよいよ今週は札幌記念(G2、芝2000メートル、22日)。5戦無敗で桜花賞を制した白毛馬ソダシ(牝3、須貝)の参戦で大盛り上がりのムードが漂う。

オークス(8着)で初黒星後は充電中。ファンが多い競馬界のアイドルを「追っかけ」東京・三嶋毬里衣が函館競馬場で密着した。

<身だしなみ編>

白く輝くソダシ。美白の秘訣(ひけつ)は、毎日のケアにある。調教後はもちろん、調教前にも体をチェック。汚れがついていたら、洗い場で落としてから運動へ向かう。今浪厩務員は「毎朝体のチェックをするよ。何日もおいて、染みこんだら困るからね」と優しい表情で話す。10日は台風の影響で滞在する函館は大雨で人も馬もドロドロに…。真っ白なだけに、特に汚れが目立つ。「今日はなかなか落ちないな。雨の日は他の馬の倍くらい時間がかかる。洗うのに30~40分はかかるかな。シャンプーも他の馬の倍以上使うよ」。普段は他の馬と同じようにやるだけだと言うが、雨の日はもう大変。脚もとから尾、たてがみまで全体を真っ白に保つには、こまめな手入れが欠かせない。

<ケア編>

ソダシに魔法をかける!? 夫人がディズニー好きだという今浪厩務員。今はコロナ禍で行けないが、以前は6年連続家族でディズニーランドに行っていたという。馬体を拭くタオルにはディズニーの人気キャラクター「スティッチ」が大きく描かれている。タオルで体を拭きながら、少し圧を加える“タオルマッサージ”はゴールドシップにも施していた技。「体をこする時、さーっとやるのではなく、少し力を入れてマッサージする。一石二鳥やね」。

<験担ぎ編>

実はレース時に履くパンツもディズニーだ。新馬を担当するケースは新馬戦前に新しいパンツをおろすという。ソダシのレースの時はアラジンのジーニー、ゴールドシップの時はスパイダーマン柄だった。ジーニーの魔法のランプで「勝利」の願いがかなうかも!?

アイドルは応援にも後押しされる。ソダシには、ファンから多くのお守りが届く。普段は栗東にある厩舎に飾っているが、今は函館の馬房近くに置いている。同厩務員も「ちゃんと近くに置く。こうやってファンが応援してくれるのはうれしいよね」と笑顔いっぱい。開催日以外は関係者しか競馬場に入れないが、函館競馬場のパドックを歩く馬の姿は外からでも見える。周回する姿をひと目見ようと、熱心なファンの姿があった。新型コロナウイルス感染症拡大の影響で現在競馬場に入れる人数は制限され、たとえ入場出来ても声を出しての応援は禁止。声援が届く日はまだ先かもしれないが、ファンの応援はきっと届いている。

<仕上がり編>

1週前追い切りでは、抜群の動きを披露した。函館芝コースで5ハロン65秒0-11秒4の好時計をマーク。ユーキャンスマイル(古馬オープン)を2馬身追走し外を回って1馬身先着した。須貝師は「言うことのない動きだった。だいぶレースから離れているので思い出させるための調教でもあった。パドックで上がり運動を見ていたけど、どっしりとして精神面でもかなり成長した。肉体的にも筋肉の凹凸がはっきり出た」と成長を感じている様子。レコードでJRA重賞初勝利を決めた札幌の舞台で、古馬を破り飛躍の秋につなげる。

【まりえの展望】7月22日の函館競馬場入厩から先週11日の1週前追い切りとソダシをほぼ毎日見てきた函館出張(7月12~25日、8月9~12日)。デビュー前の昨年7月もちょうど函館にいて、姿を見ていたんです! 父クロフネ、母ブチコという血統で当時は「ダート馬なんじゃないか」という意見も多数あり、実はこれまで1度も本命にしたことがありません(汗)。ただ、私の印に反して? いつも想像を超える走りを見せ、毎回反省させられてきました。関西馬なのでこれまで取材をする機会がなかったですが、間近で見て話をたくさん聞いたことで、アイドルホースのかわいさにときめいたのも事実。印は今週いっぱいしっかり悩もうと思います!!