極ウマ競馬班の才媛・三嶋まりえ記者、マーケティング予想の井上力心(よしきよ)記者、海外競馬&ジャンプ大好きの木南友輔記者が今週も障害競走を楽しく、そして、本気で予想します。

まりえ 今週の美浦の取材、楽しかったんじゃないですか?

木南 最高だったよ。今週の京都ハイジャンプの取材と先週の新潟の振り返り。

力心 先週の新潟といえば…、レコード決着だった土曜1Rと記録的な大差勝ちだった土曜4Rですね。

木南 今週の美浦で話したけど、フォッサマグナの伴騎手はいたって冷静だった。「あのくらいは走ると思っていたし、レース後に重賞を勝てると言ってくれる人もいたけど、まだそこまでは。(前走で騎乗していた)圭(大江原)さんのアドバイスが生きたと思います」と。「最後はさすがに(脚が)止まってるんですけど、止まっていてもあのスピードがあるのは素晴らしいですね」って言ってた。

まりえ 時計だけ見れば、同じコースで1Rのオープンを勝ったゼノヴァースの方が優秀でした。

木南 他のジョッキーと話していて、「ゼノヴァースはかなり強い」という声も聞いたし、「あの展開で2着に残ったマリオも実は強いと思う」という声も聞けた。次走が楽しみになったよ。

まりえ さて、今週の話題へ…。昨年もそうでしたが、この時期の3場開催はすべて左回りの競馬場なんですよね。

力心 東京、中京、新潟ですべて左回り。土曜は中京で京都ハイジャンプがあります。

木南 平地の芝コースを使用する中京競馬場のジャンプ競走。3900メートルという特殊な舞台で、どんな競馬になるか注目していた昨年は中盤でハナに立ったマーニが鮮やかな逃げ切り。

まりえ 思い出しますね。現役ラスト騎乗の三津谷騎手が重賞初制覇というドラマチックなレースでした。

力心 同じ芝コースを2周するレース。たとえば、先日行われた天皇賞・春は外回り、内回りの1周半でしたけど、それとは違います。中山内回りを2周するステイヤーズSのイメージかな。ステイヤーズSに置き障害があるという感じ。

木南 今週の取材ではコースについて、「まだつかめていない」という言葉も聞いたし、どこで仕掛けていくのかがポイントだね。

まりえ 私の◎は…。

力心 むむむっ、3人とも同じ馬に◎を打ってますね。

木南 というわけで、予想は土曜朝の日刊スポーツ紙面を見ていただくことにして…。ここは予想に役立つ情報を届けることにしよう。

まりえ 昨年は11頭立てでしたが、今年はわずか9頭の登録にとどまりました。

力心 実績的にはタガノエスプレッソが断然だと思います。20年の中山大障害で3着。昨年の中山グランドジャンプで3着という実績があります。あと、やっぱり触れなきゃいけないのは20年に中京開催の阪神ジャンプSを勝っていて、続く阪神開催の京都ジャンプSで連勝中のオジュウチョウサンに土をつけた馬だということ。

木南 今回はオジュウの主戦である石神騎手とのコンビ。1週前に栗東トレセンまで追い切りへ乗りに行って、感触はつかんできていた。

まりえ 魅力的なコンビですよね。

木南 ただ、このレース、先週までの取材の感触では、ジョッキーたちの気になる存在、主役候補が別にいたんだ。それが、セプタリアン。平沢騎手とのコンビで未勝利を勝って、小倉サマージャンプ4着、秋陽ジャンプS、2月小倉の障害オープンを連勝で4戦3勝。

力心 5日に栗東のCウッドですごい時計を出していますが…、けがをしたのでしょうか、残念ながら登録抹消されていますね。

木南 「セプタリアンがいなくなってしまったのは残念だけど、これでどの馬にもチャンスが出てきた」。そういうムードだね。

まりえ セデックカズマは中京で2着3回と安定。ここ2戦も小倉と阪神で2着。重賞は初挑戦ですが、今の充実度なら期待したい1頭です。

力心 ポルトラーノは集中して走れれば。前走はセプタリアンの3着。かなり長く脚を使って追い上げました。草野騎手が付きっきりで調整しています。

木南 エコロドリームは前走で1番人気に応えられなかったけど、五十嵐騎手の感触は上々だったし、飛越のセンスは抜群。

まりえ 全然人気はなさそうですけど、ノーリミッツは押さえたい。昨年12月のイルミネーションJSは好メンバー相手の4着でした。道悪の馬場でナカヤマフェスタ産駒というのも魅力です。

力心 ホシルミエールは9歳馬で今回が重賞初挑戦。このメンバーなら一発があっても驚けません。

木南 ワーウルフも関東所属の小野寺騎手が去年の冬コクで関係を築いて、今回騎乗依頼を受けている馬。まだまだ5歳でこれから強くなる可能性がある馬だからね。

力心 昨年もそうでしたけど、タフな設定のレースなので、人馬が無事に走り抜いて、それでいい競馬をみせてほしいです。

まりえ さあ、中京の長丁場でその名を刻め。

力心 ヒーローイズ、カミング!

◆三嶋毬里衣(みしま・まりえ)1994年(平5)12月2日生まれ。最初に見た競走馬はアーモンドアイ。好きな飲み物はクラフトビール。ツイッター「@mishima_marie」でさまざまな競馬情報を発信中。

◆井上力心(いのうえ・よしきよ)1986年(昭61)9月6日、福岡県北九州市生まれ。幼少時に父と小倉競馬場へ行き、競馬の魅力にはまる。ITエンジニア、マーケティングコンサルタント職を経て、日刊スポーツ新聞社の競馬担当へ。マーケティング用語を駆使した独自の予想にチャレンジ。

◆木南友輔(きなみ・ゆうすけ)1980年(昭55)8月6日、東京都生まれ。趣味は登山と社会人野球観戦。