米国3冠競走を締めくくるG1ベルモントS(ベルモントパーク、ダート2400メートル)が現地時間の11日土曜に行われます。

ここまでの2冠を振り返ると、5月7日のG1ケンタッキーダービー(チャーチルダウンズ、ダート2000メートル)は伏兵のリッチストライク(牡3、父キーンアイス)が優勝。リッチストライクがハードスケジュールを嫌って回避した同21日のG1プリークネスS(ピムリコ、ダート1900メートル)は、3戦2勝で臨んだアーリーヴォーティング(牡3、父ガンランナー)が、ケンタッキーダービー2着のエピセンターを下して優勝しています。

アーリーヴォーティングは真夏のダービーの異名を取る8月のG1トラヴァーズS(サラトガ、ダート2000メートル)へ直行を決めたため、ベルモントSで2冠の可能性を残すのはリッチストライクのみとなっています。

8頭立てが予想されるベルモントSは、そのリッチストライクが中心と思いきや前売りは3番手の評価。滑り込みで出走を果たし、最低人気だったケンタッキーダービーが、ノーマークの気楽さと展開に恵まれたものとみられているからでしょう。

1番人気はケンタッキーダービーで不利な最内枠を引いて、最後方から5着に追い上げたモードニゴール(牡3、父アンクルモー)、差のない2番人気はこのレースの前哨戦となるG3ピーターパンS(ベルモントパーク、ダート1800メートル)を10馬身1/4差で逃げ切って圧勝したウィーザピープル(牡3、父コンスティトゥーション)です。

G1ケンタッキーオークス(チャーチルダウンズ、ダート1800メートル)の2着馬で、紅一点での挑戦となるネスト(牝3、父カーリン)にはアーリーヴォーティングでプリークネスSを制したJ・オルティス騎手が騎乗。07年ラグストゥリッチズ以来の牝馬制覇に挑みます。

【ターフライター・奥野庸介】(ニッカンスポーツ・コム/極ウマコラム「ワールドホースレーシング」)