難解な舞台もこれで完全攻略だ! ルーキー今村聖奈騎手(18=寺島)の重賞初騎乗、初勝利という快挙で幕を開けた夏の小倉競馬。2週目はダート重賞のプロキオンS(G3、ダート1700メートル、10日)が行われる。開幕週に出張し、猛暑の競馬場で取材した太田尚樹記者と奥田隼人記者が、現地で得たヒントをもとに攻略法を探る。

奥田 小倉開幕週のCBC賞はスーパールーキー今村騎手の豪快な逃げ切り。鳥肌ものでしたね。

太田 馬連を買って、結果は1着、3着。猛暑なのに寒気がしたわ…。

奥田 現地取材の成果を踏まえて、プロキオンSでリベンジしましょう! 太田さんは同じダート1700メートルの先週土曜メイン・九スポ杯で馬券プレにばっちり成功されてますし、傾向もつかんでますよね?

太田 おだて上手になったな…。俺は小回り適性が大事やと思う。タイトなコーナーでうまく加速できる器用さが必要。その土曜メインの◎ラボエームも大根田師から「小回りだと3コーナーからスパートして、勢いのままゴールできる」と聞いた通り、5番人気で2着に頑張ってくれた。

奥田 先週土日に行われた、同じ舞台の計6鞍を勝った騎手全員を取材したんですが、何度か出てきた「スムーズ」という言葉にヒントがあると思います。後方でゴチャつくリスクを考えると、自分は前々で運べる馬を狙いたいですね。

太田 夏やから元気も大事。福永騎手いわく「今は馬にとって過酷な時期。暑さに慣れるには、たいてい3週間かかると言われてるから」。だから、フレッシュな馬を狙うべき。日程的にどうしても押せ押せになる未勝利戦は別やけど。

奥田 確かに、先週の1勝クラス以上の勝ち馬はすべて、前走からの間隔が中3週以上でした。

太田 俺が気になるのはヴェルテックスやな。地方の名古屋で重賞を勝った小回り巧者やし、3カ月ぶりで元気もたっぷり。あとは仕上がり具合だけやな。

奥田 自分は「スムーズさ」を重視して、昨年の2着馬トップウイナーが気になります。その昨年は脚抜きのいい重馬場で、1分40秒9というレコードで決着しましたが、速い流れを2番手でスムーズに追走して粘り込みました。14番人気でしたからね。鈴木孝師も「昨年のように軽い馬場になってくれれば」とひと雨あるようなら注目したいです。

太田 攻略法が見えてきたな。これで俺と奥田だけ大もうけや。

奥田 新聞に載っちゃってます…。読者の皆さまの参考になれば何よりです。

<小倉ダート1700メートル 先週の勝利騎手コメント>

◆土曜7R・松本騎手(ブライトホルン) スムーズに競馬ができた。まだ最後まで本気で走ってないですし、上のクラスでもまれ

ればもっと良くなると思う。

◆土曜11R・荻野極騎手(ヴァンヤール) 外枠でスムーズに運べた。並んでからもうひと反応ほしかったところですが、それでもしっかり勝ち切ったように能力を秘めています。

◆日曜4R・西村淳騎手(オースミリン) 前走で勝てる能力を感じていたし、すごく成長している。結果が出て良かったです。

◆日曜7R・松山騎手(サンライズグリット) もまれると少し嫌がる面があるので早めに動いていきました。しっかり押し切って、力のあるところを見せてくれました。

◆日曜10R・川田騎手(ディパッセ) とてもいい馬ですし、改めていい勉強をしていけたらと思います。

◆日曜12R・今村騎手(キングズソード) 大外枠でどうしようかと思いましたが、馬の力を信じた結果、1コーナーの入りでロスしないように、内へ入るレースを選択しました。馬が強かったです。

 

▼好配当が出る舞台 先週土日の小倉ダート1700メートル6鞍の馬連最高配当は4570円、平均は2695円。3連単は最高10万9830円、平均3万5673円だった。同舞台で行われた昨年のプロキオンSは馬連5万3680円、3連単194万4140円。