秋の短距離王を決めるスプリンターズS(G1、芝1200メートル、10月2日=中山)の最終追い切りが28日、東西トレセンで行われた。安田記念2着馬で、今回初めてのスプリント戦となるシュネルマイスター(牡4、手塚)は、美浦ウッドで3頭併せを行った。調教を見守った手塚貴久師(58)が共同会見に出席した。一問一答は以下の通り。

-前走安田記念2着を振り返って

手塚師 (2走前の)ドバイがふがいないレースになってしまって、体調自体どうなのかなと半信半疑になったところもありましたし、安田記念は決してこの子のベストの状態ではない中で2着ということで、改めて底力があるなと認識しました。

-スプリンターズS参戦の経緯は

手塚師 夏は休養に充てるということは当初から決まっていた。秋の目標をどこに定めるかというところでオーナーサイドと協議しまして、マイルCSは一番いい状態で使いたいと意見が一致しました。その間にどこを挟むかという話になりまして、昨年は毎日王冠を使わせてもらいましたが、今年になると重量も昨年と違ってきますし、生きのいい3歳馬と戦うに当たって、4キロだとか重量差がかなりあるレースですので、そうなると楽なレースにはならないことと、マイルCSに向けて1週でもレース間隔が延びた方がこの子にとってはいいのかなと話をして、それならチャレンジでもあるけれどもG1であるスプリンターズSを使って、マイルCSに向かおうということになりました。

-最終追い切りの評価

手塚師 前回よりもいい状態で帰って来ましたので、こちらの思った通りに2週前、先週とできていますので。今週もイメージ的には先週と変わらない感じでやったんですけど、こちらが思い描いていた通りの手応えと動きだったと思います。

-初の1200メートルについて

手塚師 正直それだけかなと思います。能力自体はこのメンバーに入っても上位だと思っていますし、そこで1200メートルに替わってどうかというところだと思います。それは皆さまも、私自身も厩舎スタッフ、オーナーもそこが鍵かなと。この子の父親キングマンを考えた時に、マイル色が強いということと、母系は長めの距離が持つ血統なんですけど、体形的にもマイル以下の距離でも十分対応できる体つきで、あるいは精神面でも短距離でも通用するのではないかというメンタルを持ち合わせているので、そういうところはプラスに考えてレースに臨みたいと思っています。

-短距離に向けて調教などで手を加えた部分は

手塚師 基本的なことはあまり変えていないが、坂路での普段のキャンターも、少し意識して速めにしてみたり、微妙なさじ加減はやっているつもりです。でも本質的なところはしっかり馬を作るということなので、そこはぶれないでやっていました。

-勝利すれば史上9頭目のマイル、スプリントG1制覇

手塚師 珍しいキングマンの産駒ということで、日本の競馬界にもいろんなところで存在価値が出てくると思っていますので、昨年のNHKマイルC以来G1は勝っていないですけど、ファンの多い馬だと思います。今回1200メートルですが、G1の勲章をもうひとつ手に入れられれば、この子のステータスも上がってくると思いますし、それを我々も願って仕上げていますので、ぜひ応援していただければと思います。