オーストラリアのオーナーズクラブであるライジングサン・シンジケート(川上鉱介代表)が7日、ニシノクレセント(セン3)のオーストラリア移籍を発表した。

父がディープインパクト産駒で17年安田記念を制したサトノアラジン、母が10年中山牝馬Sを制し、ヴィクトリアM3着のニシノブルームーン、母の父タニノギムレットという血統。西山茂行オーナーが所有し、JRAは9戦未勝利で抹消され、大井競馬へ移籍していた。

同クラブで日本からオーストラリアへの最初の移籍となったマイネルレガシー(JRA未勝利)は現在2連勝中。ライジングサン・シンジケートの公式ホームページでは今回の移籍について、「マイネルレガシー以降にも様々な現役馬が移籍の候補に上がりましたが、輸送費高騰も踏まえてもその価値に見合う1頭を慎重に探し続け、遂に『この馬ならば』と思える1頭とのご縁をいただきました、それがこのニシノクレセントです」と紹介。同馬は未勝利戦で青葉賞馬プラダリア、プリンシパルS3着マイネルクリソーラと対戦した実績があり、「本馬はまさに9月で未勝利戦が終わってしまうというシステムに泣いた1頭だと考えております。気性的にうるさい面もあり、馬っけもかなり強いということで去勢を行い、長く良い競走生活をオーストラリアで送らせてあげたいと考えています」と期待を語っている。

ライジングサン・シンジケートは「オーストラリア競馬と日本競馬の橋渡しをしたい」と、日本出身でオーストラリアの元障害ジョッキーだった川上氏、シドニーで騎手として活躍した市川雄介氏、トラックライダーとして多くの名馬に携わった森信也氏の3人が立ち上げたオーナーズクラブ。日本人だけではなく、日本馬への出資を希望する現地のオーストラリア人も多く参加している。日本で思うように結果を出せなかった現役馬を移籍させ、オーストラリアで活躍させることを大きなテーマとして掲げており、今夏も来日した関係者が日本のオーナーと交流を深めていた。

ニシノクレセントへの正式な出資募集については今後ホームページなどで発表される予定になっている。

同馬を所有していた西山茂行オーナーは「ライジングサン・シンジケート」アカウントのツイートを引用リツイートし、「この馬のことを考えたら最高の移籍になりました」と投稿。新天地での活躍を願っている。