欧州メディアに今年のジャパンC(G1、芝2400メートル、27日=東京)で注目する3頭を聞いた。欧州を代表する競馬専門紙「レーシングポスト」のスコット・バートン記者は同紙を代表するライターであり、フランス駐在の名物記者。凱旋門賞や世界各地のG1取材で日本競馬にも精通している親日派のチョイスとは…。外国馬取材に訪れた東京競馬場で直撃した。

「ジャパンCを現場で取材させてもらうのはシュヴァルグランが勝った17年以来2度目になる。これだね」。ヒュー・ボウマン騎手の決めポーズを見せたバートン記者。「今年のジャパンC、1頭を選ぶのはかなり難しいが、3頭を挙げさせてもらうなら…」。

「まず1頭目はシャフリヤールです。昨年のダービー馬で昨年のジャパンCは3着でした。ロイヤルアスコットのプリンスオブウェールズSは厳しい結果に終わったが、日本の(欧州に比べ)フラットな馬場の2400メートルなら彼は強いと思います。今年も世界中でディープインパクトの血が活躍している。後継種牡馬のサクソンウォリアーからはヴィクトリアロード(フランスのG3コンデ賞を快勝。米国のBCジュベナイルターフでG1制覇)が出ました。それにオーギュストロダン(ディープインパクト産駒でフューチュリティトロフィーを快勝)も来年が楽しみですね」。

「2頭目はシムカミル。日本での注目度は低いのかもしれないけど、ニエル賞を勝ってからここに備えてきました。アーモンドアイが勝った年のような速い馬場になると、ノーチャンスだけど、今年はそういう馬場ではなさそうなので、チャンスがあると思います。もちろん、レーティングではオネストの方が上だし、オネストとクリストフ・ルメールが勝ってくれると、私の仕事はすごくやりやすいんだけどね」。

「3頭目はグランドグローリー。昨年のジャパンCで5着に好走しているし、今年は英国にも遠征したし、凱旋門賞でも5着に入った。素晴らしい成績を残している。ビエトリーニ師にとっては夢のような馬。いいレースを期待したい」。

「日本ではヴェラアズールが人気になっているみたいだね。京都大賞典は強かったし、今回の鞍上はライアン・ムーア。やっぱりそこでしょう」。

「3頭以外でもう1頭、気になる馬を挙げるなら、ヴェルトライゼンデです。左回りの成績がいいので、今回はいいかもしれない。そして、池江泰寿さんが管理しています。彼は面白い。香港でもドバイでも、いつもオルフェーヴルのベースボールキャップをかぶっているでしょ。オルフェーヴルはすごい馬でした。彼はインタビューもすごく面白いし、素晴らしいホースマンだと思います」。