米国のG1馬シャールズスパイト(牡6、父スペイツタウン)が19日のG1フェブラリーSに参戦するため、9日朝に来日します。

シャールズスパイトは、カナダと米国で14戦5勝。重賞は昨年のG1メーカーズマークマイル(芝1600メートル)とG3タンパベイS(芝1700メートル)の2勝。勝ち鞍のうち4つは芝のレースで、残る1勝は3歳時に出走したオールウエザートラック(1700メートル)でのもの。ダートは2戦して、まだ勝ち星はありませんが、一時はG1ケンタッキーダービー(ダート2000メートル)参戦がうわさされたように、陣営はシャールズスパイトを芝、ダートを問わない“二刀流”と認識しているようです。

管理するのはカナダのウッドバイン競馬場を本拠にするR・アトフィールド調教師(83歳)。馬主は日本でも馬主資格を持ち、現役のカナテープなどが活躍しているC・フィプケ氏(75歳)です。

地質学者のフィプケ氏はカナダの辺境の地でダイヤモンドが眠る鉱山を発見して財を成し、いまや世界規模で多くの所有馬を走らせる大富豪。今年1月に中南米のコスタリカでスズメバチの大群に襲われて、奇跡的に一命を取りとめたことはニュースにもなりました。

シャールズスパイトにとってフェブラリーSは約3カ月半ぶりの実戦。昨年11月のG1・BCマイル(芝1600メートル)は勝ったモダンゲームズに進路をふさがれて急ブレーキを踏む不利がありながら、残り100メートルで巻き返して3/4馬身差まで迫る2着。敗れてなお強しの内容は高く評価されて、英国のタイムフォームがつけたレーティングは一流馬を示す120。これはフェブラリーSの出走予定馬の中で最高値となっています。

初の海外遠征、まだ勝ち鞍のないダート競馬など課題は少なくありませんが、鞍上に頼んだJ・モレイラ騎手の手腕も心強く、馬場次第で波乱の目になりそうです。【ターフライター・奥野庸介】(ニッカンスポーツ・コム/極ウマコラム「ワールドホースレーシング」)