開業18年目、初の平地重賞制覇へ。

日曜東京メインの共同通信杯(G3、芝1800メートル、12日)に、朝日杯FS16番人気4着のキョウエイブリッサ(牡、武市)が出走。8日の最終追い切りでは潜在能力の高さをみせ、その走りに師も思わずうなずいた。母も同厩舎出身の生え抜き血統が、記念すべき白星を届ける。

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抜群の動きがあった。キョウエイブリッサは8日、美浦ウッドでの3頭併せに登場。2頭を追走する形で直線を迎えると、軽く手綱を動かしただけで先頭に立った。その手応えに、乗り役も思わず併走馬を2度見。武市康男師は「なかなかの動きですね。後は力みなく、折り合いさえつけば悔いはない。東京も合わないとは思わないですし」と言葉に力を込めた。

攻めの過程となった。今回は勝利した新馬戦以来となるウッドでの最終追い切り。ここ2戦は坂路で仕上げていた。伊藤助手は「今までソエを気にする場面があったんです」と理由を説明。現在は状態が改善し、歩様も乱れはない。「そういった意味でも、今回はプラスですよね。距離も1ハロン延びるけど、先週追い切りに乗った三浦騎手が『千八なら大丈夫』と」。追い風が重なった。

35度目の正直に挑む。厩舎では17年東京ジャンプSをシンキングダンサーで勝利し、障害重賞初制覇を果たした。平地重賞は34度の挑戦で2着が2回。今年1月のフェアリーS(メイクアスナッチ)では、頭差で白星を逃していた。伊藤助手は「取れれば悲願ですよね」と目を細める。わずか1戦で引退したが母馬のキョウエイポズナンも同厩舎所属馬。思いがこもった初勝利を、キョウエイブリッサが届ける。【阿部泰斉】