【リヤド(サウジアラビア)22日=藤本真育】2月いっぱいで騎手を引退する福永祐一騎手(46)が、25日のサウジアラビア国際競走でラスト騎乗を迎える。3回連載「福永祐一 in Saudi ラストステッキ」の第1回は、“ラストライド”直前の福永騎手が心境を語った。

27年間、華々しい活躍を見せ続けた名手がサウジアラビアの地でステッキを置く。

福永騎手 最後の騎乗依頼がサウジアラビアだっただけ。最後まで騎乗依頼をいただけてありがたい。(日本の)お客さんの前で最後の騎乗ができないのは心残りだけど、経験としてサウジで騎乗してみたいと思った。

最後まで騎手として最高の結果を追い求めてきた。44歳時の20年にJRA年間134勝でキャリアハイをマーク。昨年も101勝を挙げ、最長記録となる13年連続の年間100勝を達成した。そんな充実期にある今。まだまだ進化していると言う。

福永 今が一番いい乗り方ができていると思う。むしろ、まだまだうまくなれそうと感じている。昨年より今年の方がいいもんね。馬も楽なんだろうね。調教師試験の勉強をしていたというのもあるし、調教師が乗ってもらいたい乗り方をしてるんやろうな。いい乗り方しているわ(笑い)。

国内ラスト騎乗となった19日の東京競馬場。9Rをペリエールで勝利した後、最終騎乗となった12Rゲンパチプライド5着の後も真っ先に馬に対する課題や、自身の騎乗の反省点を話していた。「性格上、調教師のことをしながらジョッキーをやることはない。おろそかにせず、騎手を全うしたいという思いがある」。その福永祐一“らしさ”が、ここまでの成績を支えてきた。

異国の地で有終Vへ。25日はサウジダービーでエコロアレス、リヤドダートスプリントではリメイクに騎乗する。22日はエコロアレスにまたがり、ダートコースの感触を確かめた。最後の戦いが、いよいよ近づいてきた。(つづく)