3番人気インダストリア(牡4、宮田)が、5度目の重賞挑戦で待望のタイトルを手にした。

中団を進み、上がり3ハロン33秒4の末脚で直線外から差し切った。2着ジャスティンカフェを3/4馬身差退け、勝ちタイムは1分33秒2。中山1600メートルは3戦3勝とした。得意舞台で重賞を勝ち、大きな舞台へ夢を広げた。

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インダストリアが全身を大きく使ったフットワークでぐんぐん前に出る。戸崎騎手の左ステッキが入ると、ギアをもう1段上げた。「返し馬でも落ち着きがあったし、リズム良く行けばと思っていました。外を回し過ぎたと思ったけど馬を信じてリズム良く運べたし、爆発してくれましたね」と鞍上がたたえた。中間は調教で耳を絞る面を見せるなど気難しい面を残す馬は、平常心を保って勝ち切った。

宮田師、戸崎騎手が早くから能力を認める素質馬が、ようやくタイトルをつかんだ。昨年のNHKマイルC5着など重賞戦線で地力を示していたが、なかなか届かなかった。師は「結果を出せず悔しい思いをしたので、1つタイトルを取れたことが何よりうれしいです。メンバーもそろっていましたし、マイルでさらにタイトルを重ねたい」と飛躍を見込んだ。

中山マイルは負けなしの3戦3勝。ここでのパフォーマンスは圧倒的だ。次走は未定だが、今後はG1出走も視野に入る。「リズム良く運べれば違った舞台でも」とトレーナー。ベスト舞台での重賞タイトル獲得を機に、中山の枠を超えた活躍が期待される。【井上力心】

◆インダストリア ▽父 リオンディーズ▽母 インダクティ(ハーツクライ)▽牡4▽馬主 (有)サンデーレーシング▽調教師 宮田敬介(美浦)▽生産者 ノーザンファーム(北海道安平町)▽戦績 9戦4勝▽総収得賞金 1億680万6000円▽馬名の由来 物語に登場する架空の地名