昨年の菊花賞馬アスクビクターモア(牡4、田村)が、放牧先で熱中症による多臓器不全のため死亡した。JRAが9日に発表。8日付で競走馬登録を抹消された。同馬は宝塚記念11着後、秋への再起に向けて英気を養っていた。

アスクビクターモアは21年6月26日の東京芝1800メートルの新馬戦でデビュー(3着)。同9月の未勝利戦で初勝利を挙げると、翌年の弥生賞で重賞初制覇。中山3戦3勝の舞台巧者ぶりを見せつけた後に臨んだ皐月賞では5着に敗れたが、続くダービーではレコード決着の流れを果敢に先行してドウデュース、イクイノックスに続く3着に力走した。秋始動戦のセントライト記念2着後に、3冠最終戦の菊花賞レコード勝ちでG1タイトルを手にした。田村厩舎にとっては初のクラシック優勝。世代でわずか3頭しかいない、3冠競走を皆勤した1頭でもあった。

4歳になった今年は日経賞から始動。不良馬場の出遅れが響き9着に終わり、その後は天皇賞・春11着、宝塚記念11着という結果に終わっていた。通算12戦4勝。総収得賞金は3億4527万5000円。