4番人気ジョエル(牡5、張田)がゴール前で差し切り、21年黒潮盃以来の重賞3勝目を挙げた。勝ちタイムは2分8秒0。

今年4月デビューの所蛍(ところ・ほたる)騎手(18)は地方通算8勝目での重賞初制覇。騎手時代にこのレース1勝の張田京調教師(59)は調教師での初制覇となった。

新人らしからぬ冷静な騎乗だった。「リズム良く走らせることが作戦だったので」と鞍上。道中は逃げたランリョウオーを見ながら外の3番手で運ぶと、4角で2番手に上がり、最後に捉えた。高知での武者修行から船橋に戻って約1カ月での大仕事。「関係者の皆さまが自分に機会を与えてくださったことに感謝しかありません」。初々しい笑顔が表彰台ではじけた。

張田師は「蛍でいくかどうか、迷ったけど、チャンスを与えないと伸びないと思って」。見事に起用に応えた愛弟子に師匠も笑顔が絶えなかった。【牛山基康】

 

◆ジョエル▽父 トーセンブライト▽母 トーセンレインボー(ダイワメジャー)▽牡5▽馬主 島川隆哉▽調教師 張田京(船橋)▽生産者 有限会社エスティファーム(北海道日高町)▽戦績 34戦8勝▽総収得賞金 1億496万5000円▽主な勝ち鞍 21年クラウンカップ(S3)、黒潮盃(S2)▽馬名の由来 人名より。

 

<ランリョウオー=2着>本橋騎手 気分よく走っていたし、勝つパターンかと思いましたけどね。敗因という敗因は思い浮かばない。

<ユアヒストリー=3着>張田騎手 元気で充実している。流れて乗りやすかったし、頑張ってますよ。

<エルデュクラージュ=4着>本田正騎手 追って伸びるタイプではないので、もっと前めに行ければよかった。休み明けの9歳。頑張ってますよ。

<ヴェルテックス=5着>笹川騎手 最後もうひと踏ん張りして、そこまで差はないけど、器用さがない分ですね。