東海S(G2、ダート1800メートル、21日=京都)ではオレリアン・ルメートル騎手(34)がオーロイプラータ(牡4、宮本)でJRA重賞初Vに挑む。

ルメートル騎手は昨年、仏1000ギニー、仏オークス、クイーンエリザベス2世SなどG1・5勝を挙げた敏腕ジョッキー。世界で活躍する馬を多数輩出している日本競馬を、肌で感じに来た。「日本は大きいレースも多いし、世界的に馬の質が高い。自分で乗って確かめたいと思った」。年明けからの開催5日間で41鞍に騎乗。すでに4勝を挙げている。

初来日というのにすぐに日本の競馬に順応できたのは、先輩騎手からの助言がひとつにある。「日本の競馬はペースが全然違う。日本は最初のペースが速いけど、フランスは遅い。事前に話してもらっていました」。ルメール騎手やC・デムーロ騎手ら、日本で実績を残しているジョッキーからアドバイスをもらい、日本での実戦に備えていた。

今週末は東海Sでオーロイプラータに騎乗。日本で初めてのダート重賞に挑む。フランスにはダートコースがなく、代わりにオールウエザーコースが設置してある。不慣れなダートでも憂いなし。「冬場はアメリカで乗っていたし、日本でダートを経験した。勝ち星もあるし、不安はない」と強気の姿勢だ。前日17日には最終追いに騎乗し、コンタクトをとった。「追い切り自体は良かった。ワンペースみたいな走り方で、特徴がよく分かってよかったです。馬の気持ちがよくなる位置で運びたい」と感触をつかんだ。

日本食については「食べたものは全部おいしい」とにっこり。異国の地での“柔軟性”が重賞でも生きるだろう。【下村琴葉】

◆オレリアン・ルメートル 1989年7月3日、フランス生まれ。05年にフランス騎手免許を取得。昨年はブルーローズセンで仏1000ギニー、仏オークスなどのG1を勝利。685戦75勝でフランスリーディング5位に入った。身長168センチ、体重52キロ。初の短期免許取得。JRA通算41戦4勝。