先週水曜日の紙面で掲載したジャングルポケット産駒の最終世代、ポッドテオ(牡3、畠山)のセントポーリア賞後の様子をのぞかせてもらいました。父に重なる我の強さを持ち合わせていて、私が近づくと先週は耳を絞って威嚇されました。30日朝もそのようなしぐさを出していましたが、今週は担当の結城助手とじゃれ合う、かわいい一面も見せてくれました。馬房ではカイバをもりもり食べていて、元気な姿が見られてひと安心でした。
先週日曜に出走したセントポーリア賞ではかなりのスローペースに苦労していましたが、何とか我慢を利かせてラストの瞬発力勝負にも対応。首差の2着に敗れはしましたが、地力の高さを見せてくれました。畠山師は悔しさをにじませながらも「ああいう競馬が今後につながると思う」と前を向いていました。
私が幼き頃見たジャングルポケットのダービー制覇は、今も強く目に焼き付いています。レースで見せる負けん気の強さやがむしゃらさが特に印象的でした。現在JRAに登録されているラストクロップは同馬を含めて10頭のみ。後世に希少な血を残してほしいと願ってやみません。「レースごとに成長しているし、成長力がある印象です」と結城助手は話します。次走は現時点で未定ですが、今後も歩む道に注目したいと思います。
畠山厩舎からは今週も期待の若駒がエントリーします。ダービーと同じ距離のゆりかもめ賞に出走予定のキタサンブラック産駒ウインマクシマム(牡)です。鞍上の松岡騎手もポテンシャルを高く評価しています。ホープフルSでは12着に敗れ、ここは仕切り直しの一戦。先週は直線で強い向かい風を受ける厳しいコンディションの中、美浦ウッドで自己ベストの5ハロン65秒4をマークしています。師は「前走は接触のある競馬で若さも出てしまいました。中間は落ち着いて調教ができているし動きも心配ない。鞍上もほれ込んでいるところがあるし、総合的にいいものを持っている。先々を見据えてここにチャレンジする。適性があると思っての出走だし、上手に走れれば上位争いできると思う」と期待を込めています。
今週はきさらぎ賞。来週は共同通信杯も控え、クラシックが近づいてきました。大舞台を目指す若駒たちの走りに今週も注目してください。【井上力心】