明日6日に厩舎開業を控える福永祐一調教師(47)に迫る連載「新調教師・福永祐一 馬ファースト」。第2回は「新厩舎の強み」について語った。

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福永師の強みは、数々の名馬に乗った経験だろう。21年スプリンターズSのピクシーナイトなどスプリントG1は通算4勝。3200メートルの天皇賞・春も同年にワールドプレミアで制した。各距離のスペシャリストに騎乗し、芝でも砂でもタイトルを積み重ねた。豊富なカテゴリーのG1馬に乗り、その背中を知るのは、大きなアドバンテージだ。

福永師 G1を勝てるような馬が、どういった過程で調整されてきたかを知っているのは、調教師になっても生かせるものだと思っています。人は成功体験に基づいて行動するものですから、その経験が多いことは強みです。馬に対してベストな手段を施すことで、能力を最大限に発揮できるチームにしたいです。

厩舎開業へ向け、騎手時代と同様に下準備を怠らない。「調教師としてまだ結果を出していないですからね」。特に注力したのは、管理馬の確保だ。キーンランド・セプテンバーセールなど米国のセリにも参加し、先輩調教師からさまざまなことを吸収。国内最大級のセレクトセールでは、朝から晩まで縦横無尽に会場を移動。ピクシーナイトの半弟ピクシーホロウの23(父エピファネイア、落札額3億3000万円=税抜き)や、シーザリオの子であるサートゥルナーリア産駒、スティールパスの23(牡、同8200万円)など師の思い入れが深い馬も今後、入厩予定となっている。

北海道の牧場にも頻繁に足を運んで、管理予定馬などを確認した。師匠の北橋修二元師にも同行してもらい、アドバイスを求めたという。「馬を見るポイントなど勉強になりました。一緒に見ることができて良かったです」。トレセンでも調教や飼料など細かくチェック。万全の態勢で、開業に備えている。【藤本真育】

◆キーンランド・セプテンバーセール 米国ケンタッキー州で毎年9月に開催。全米から良質な1歳馬が集まり、米国内だけでなく欧州や日本からも多数のバイヤーが集結する世界最大級のセリ。上場頭数は4000頭以上。同セールからは、グラスワンダーやモズアスコットなどのJRA・G1馬が出ている。

◆24年新規開業調教師 福永師の他に、栗東では小椋研介師(42)、河嶋宏樹師(39)、高橋一哉師(38)、藤野健太師(45)の4人。美浦では千葉直人師(37)、森一誠師(46)、矢嶋大樹師(44)の3人。