世界のひのき舞台で日本に続くのは香港か。

24日(日曜)に行われた香港ダービー(シャティン、芝2000メートル)をZ・パートン騎手とともに制したマッシヴソヴリン(せん4、父ノーネイネヴァー)の異次元の強さは新たなスター誕生という言葉だけに収まらない強烈なインパクトを残しました。

移籍2戦目で大舞台に臨んだマッシヴソヴリンは14頭立ての最後方を追走。気分良く逃げて直線でもセーフティーリードを保って逃げ込みを図るカーインジェネレーション(3着)をめったに見られない強烈な末脚で捉えて優勝。2000年に芝2000メートルとなった香港ダービーで、初めて2分の壁を破る1分59秒85をたたき出してスターダムに躍り出ました。

1歳セリで62万ユーロ(約9920万円)の高馬だったマッシヴソヴリンは、アイルランドのA・オブライエン厩舎で5戦2勝、2着2回の成績を残して香港入り。今月3日の一般戦(芝2000メートル)でも最後方から直線だけでごぼう抜きを演じ、2着に3馬身1/4差をつける楽勝で衝撃のデビューを飾りました。

異例の2戦目でのダービー挑戦にもかかわらず人気は3冠に王手をかけたヘリオスエクスプレス(3・2倍=8着)に次ぐ2番人気(4・4倍)。ただ者でないことはファンも十分承知していたようです。

管理するC・イプ師は来月28日のG1クイーンエリザベス2世C(シャティン、芝2000メートル)への挑戦を決定。その結果いかんでは香港の顔として世界に打って出る可能性もうわさされています。

30日のドバイワールドCデーには昨年の香港ダービー馬ヴォイッジバブル(G1ドバイターフ)や、前走G1快勝のカリフォルニアスパングル(G1アルクオーツスプリント)など精鋭4頭が参戦予定。日本馬にとっても侮れないライバルとなりそうです。【ターフライター・奥野庸介】(ニッカンスポーツ・コム/極ウマコラム「ワールドホースレーシング」)