地方競馬のレジェンドジョッキー、“大井の帝王”、的場文男(まとば・ふみお)騎手(68)が3月31日付で現役を引退することが決まった。昨年12月13日の期限までに騎手免許更新を申し込まなかったため。2月14日、TCK特別区競馬組合が発表した。17日にマスコミを対象とした引退会見を行うことが決まり、このタイミングでの発表となった。なお、けがの影響もあり、大井競馬場での引退セレモニーなどの実施予定はないという。
的場騎手は73年にデビューし、地方競馬通算4万3497戦7424勝(重賞154勝)。地方競馬の通算最多勝記録、最年長勝利記録、最多騎乗記録、最年長勝利記録を持ち、20年には騎手として初めて黄綬褒章を受賞した。
昨年7月8日の大井競馬でヒザの靱帯(じんたい)損傷から復帰したが、9日に再び悪化。また同日に開催前の不適切な行為が発覚し、騎乗変更命令が出され、同26日付で騎乗停止4日間の処分(大井競馬場施設内で騎手同士の金銭上のトラブルがあったため)を受けた。その後は騎乗していなかった。
馬上の激しいアクション「的場ダンス」で知られ、勝負服は「赤・胴白星散らし」。ヨシノライデン、カウンテスアツプ、ハシルショウグン、コンサートボーイ、ボンネビルレコードなど多くの名馬に騎乗し、騎手生活は52年目に入っていた。23年秋にデビュー50周年を迎え、地方競馬全国協会から感謝状を受け取ったときは「関係者やファンのみなさんの応援でここまで来たのかな。騎手になるのが夢で、小さい頃からものすごく馬が好きだから。乗れる間は乗ろうと思っています」、記念セレモニーでは「レースにいけば、よし、この馬を勝たせるぞという気持ちになります。目標は7500勝でいきますよ」と思いを語っていた。多くの競馬ファンを魅了した「大井の帝王」は、自身とファンの悲願だった東京ダービー制覇を果たさぬまま(39回騎乗し、2着10回)、静かにステッキを置くことになった。
<的場文男騎手コメント>
皆さま、長い間応援していただき、本当にありがとうございました。正直なところ、まだまだ乗りたい気持ちはありますが、昨年2月に膝をけがし、一度騎乗を再開しましたが、膝の影響もあってか思うような騎乗ができず、体力的にも限界を感じるようになり、騎手としてのキャリアに終止符を打つ決断をいたしました。
最後の騎乗を皆さまにお見せすることができず、申し訳ない気持ちでいっぱいです。しかし、これまで多くの素晴らしい馬たちとともに走り、多くの思い出を作ることができました。皆さまの暖かい応援が、私の力となり、支えとなりました。
これからは新たな道を歩むことになりますが、皆さまの応援を胸に、次のステージでも頑張っていきたいと思います。本当にありがとうございました。

