冠名「スズカ」の馬主で知られる永井啓弍さんが7月23日に死去していたことが2日、関係者の話で分かった。90歳だった。

所有馬のサイレンススズカ、スズカマンボ、スズカフェニックスでJRA・G1を制した橋田満元調教師(72)は「非常に長いおつきあいをさせていただいて、家族以外では最も一緒にお食事をさせていただいた方だと思います。ご自身が馬主として楽しむために、周りの人たちへのリスペクトや配慮をすごくされる方でした」と悼んだ。

特に、98年の天皇賞・秋でサイレンススズカが故障で安楽死となった際のエピソードが忘れられないという。

「サイレンススズカが亡くなった時に、私や厩舎スタッフ、生産者(稲原牧場)の人たちに『元気を出して、またみんなでサイレンススズカのような馬をつくろう』というお話をされました。ご自分が一番落ち込んでおられるはずなのに、周りの人たちの気持ちを察して…。このことが、お人柄を象徴していると思います」

だからこそ、同じ稲原牧場生産のスズカフェニックスで制した07年高松宮記念は、ひときわうれしかった。

「みんなで頑張って、スズカフェニックスという馬をつくりました。同じ稲原牧場で自家生産(母がローズオブスズカ)でしたから。あのお言葉があったからこそ、みんなで頑張れたと思います」

橋田厩舎では、ほかにもゴーイングスズカ、ロイヤルスズカ、ミレニアムスズカ、スズカドリーム、スズカコーズウェイ、スズカデヴィアス、スズカプレストがJRA重賞(障害含む)を勝っており、名コンビとして競馬界を席巻した。