シーズン開幕前、今年の欧州競馬は去勢馬の天下がうわさされていました。

前年の年度代表馬シティオブトロイを筆頭に牡馬、牝馬の有力馬が続々と引退したことで、その穴を埋めるのは24年のG1競走で実績を残したアンマート、“キングジョージ”勝ち馬のゴリアット、7つのG1を積み上げていたレベルスロマンス、それに24年は3度の2着のうち2度がG1競走だったカランダガン(セン4、父グレンイーグルズ)など実力のある去勢馬と見られていました。

この見立てはあながち間違っていなかったようで、牝馬限定戦やクラシック競走、去勢馬に門戸を閉ざしている凱旋門賞などを除く去勢馬が出走可能な38の欧州G1競走のうち、約4割に当たる15レースを去勢馬が制しました。

先月18日に行われた英国チャンピオンズデーに行われた5つのG1で、牝馬限定のチャンピオンズ・フィリーズ&メアズSを除く4競走のうち3勝が去勢馬だったことも象徴的な出来事でした。

障害も使われて、平地では重賞に出たこともなかったエシカルダイアモンド(セン5、父アウタード)が並み居る強豪をおさえて米国のBCターフに優勝し、それも5着までを去勢馬が独占したことも、去勢馬の層の厚さの裏付けとなりました。

カランダガンが去勢手術を受けたのは一昨年8月のデビュー戦で3着した直後。その理由は明らかにされていませんが、3歳になってからの馬体の成長ぶりを思うと、きゃしゃだった馬体の成長を促す働きが期待されたものだったのでしょう。

強い去勢馬の代表として日本馬の壁に挑むカランダガンの走りに注目です。

【ターフライター・奥野庸介】(ニッカンスポーツ・コム/極ウマコラム「ワールドホースレーシング」)