<サウジC>◇14日(日本時間15日未明)=キングアブドゥルアジーズ◇G1◇ダート1800メートル◇4歳上◇出走13頭◇1着賞金1000万ドル(約15億5000万円)

昨年の年度代表馬フォーエバーヤング(牡5、矢作)が史上初の連覇を果たした。昨年にダート世界一決定戦BCクラシックを制し、年度代表馬として臨んだ一戦。砂漠の夜にライトで照らされた最後の直線で、坂井瑠星騎手(28=矢作)を背に、最強たる実力を見せつけた。再び世界最高賞金レースを制し、ラストイヤー初戦を白星で飾った。

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年度代表馬、エクリプス賞と大きな勲章を引っ提げて今年初戦に臨んだフォーエバーヤング。陣営にかかっていたであろう重圧は計り知れないが、矢作師は「今回だって(負けられない気持ちは)相当。でも、あの時を経験しているから…」と現地へ旅立った。

「あの時」とは20年菊花賞、コントレイルが無敗の3冠馬となった一戦だ。「とにかく負けていなかったことが重かった。その上、3000メートルは決してコントレイルに適した条件ではなかった」。数々の大舞台を踏んできた名伯楽が眠れぬ日々をすごし、レース当日、緊張はピークに達した。ついに食事も喉を通らなくなった。「朝から何も食べられなくて…。馬主さんが用意してくれた昼食のお弁当も、まったく箸をつけられなかった」。極限まで追い詰められた精神状態。勝利の第一声は喜びよりも「疲れました」だった。

史上初のサウジC連覇-。重圧をはね返した裏には「あの時」の苦しい経験があった。【鈴木良一】