柏露酒造/長岡市
「会場でお待ちしています!」。白原光明杜氏(右)と営業部長代理の佐藤一也さん

 新潟地酒ファンが待ちわびた日がやってきた。本日と明日、新潟市中央区の朱鷺メッセで「にいがた酒の陣2016」が開催される。11年に東日本大震災で中止となったため今年で13年目・12回目となる。昨年は2日間で約12万人が来場した全国でもまれに見る規模の地酒の祭典だ。

 今年出展する酒蔵は85蔵。中でも長岡市の酒蔵は16蔵が参加。市町村単位では最多となる。城下町としての歴史を誇る長岡市で、元藩主である牧野家が江戸時代に興した酒造業を受け継いでいるのが柏露酒造。牧野家の家紋「三つ柏」を継承していることがその証しでもある。

 城下町の歴史を脈々と受け継いできたこの酒蔵の杜氏(とうじ)を務めるのは、大学で醸造学を学んだ後、この蔵一筋の白原光明さん。白原杜氏が「今年の酒の陣の〝顔〟」として打ち出すのが今回の「一本」、「氵(さんずい) 立春搾り 吟醸無濾過生原酒」だ。

 みそかから仕込み始め、35日間じっくりと醸し、立春に搾った生原酒。搾ってかめ口から出てきた生まれたままのフレッシュな酒を瓶に詰めた、「蔵に来ないと味わえない」貴重な酒だ。「さんずい」というネーミングは、水が酒の命であることから、酒造りの原点の意を込めた。「『こういう酒が飲みたかった ! 』というお客様の声に応えました」と白原杜氏。

 今年の吟醸酒は、実は「さんずい」シリーズの第2弾となる。昨年、純米吟醸酒として第1弾がデビュー。昨年の純米吟醸酒は残りわずかだが、「酒の陣」ではどちらも試飲でき販売もする。飲み比べて味を確かめてみよう。

 柏露酒造では伝統を受け継ぐ正統派の地酒と並行して、「桃のお酒」や「越乃柏露 W柚子」などアルコール度数が低い清酒ベースのリキュールも数多く手がけている。スパークリングタイプの純米酒「柏の花言葉」も低アルコールだ。その理由は「アルコール離れが進んでいるいま、若い方たちの入門酒として低アルコールのものから親しんでほしいと考えています」と営業部の佐藤一也さんは説明する。

 「歴史ある蔵だからこそ、日本酒の世界への入り口を用意すべきという思いがあります」。柏露酒造はじめ、85蔵の思いが詰まった貴重なお酒を、蔵人の話を聞きながら味わえるのが「酒の陣」の醍醐味(だいごみ)だ。今週末は朱鷺メッセへ、いざ出陣!【高橋真理子】

[2016年3月12日付 日刊スポーツ新潟版掲載]