首位阪神が2点リードを追いつかれて引き分けた。 3回表2死満塁から3番ジェフリー・マルテ内野手(29)が2戦連続先制打となる右前2点打。先発の青柳晃洋投手(27)は6回1失点と好投した。だが、1点リードの8回裏2死三塁、3番手の岩崎優投手(29)が5番青木に適時内野安打を許した。 今季は試合前時点でデーゲーム12戦全勝。開幕からヤクルト戦6戦全勝だったが、この日は勝利をもぎ取れなかった。

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カモにしているヤクルトだったが、終盤に追いつかれ、そのままタイに持ち込まれた。今シーズン初の引き分けだった。

桧山 もったいない引き分けでした。逆にヤクルトにしてみればしてやったりでしょうね。ここのところ好投しながら青柳に勝ちがついてなかったし、この日も粘っていたので勝たせたかった。ただ接戦になるとミスをするほうは勝てないという表れでした。

2点リードの5回1死一、二塁、ヤクルト1番元山の打球は二塁ベース寄りに転がった。これを糸原が処理し、併殺を狙って中野に送球。しかし一塁走者・奥川を二塁で封殺しただけで、打者走者を生かしてしまう。2死一、三塁から、2番山崎の右前適時打で1点を返された。

桧山 厳しいようですがぼくに言わせればミスですね。ゴロを捕球した糸原は二塁ベースカバーに入った中野に下からトスするわけですが、あそこは上から速い送球で完全にゲッツーを成立させてほしかった。ずっと二塁を守っている糸原だからなおさらです。記録に表れないミスでした。阪神の2対0で進んで、次の1点をどちらがとるかというポイントだったので、残念な点のとられ方でした。

7回。佐藤輝の中前打と犠打、中野三振で2死二塁になって、代打糸井が打席に入った直後だ。二塁走者・佐藤輝がヤクルト2番手の今野からけん制にあってアウトになった。ショート元山とのサインプレーに引っかかった。

桧山 ぼくにも経験があるのですが、あれもミスです。二塁走者になったリードオフで、二塁ベースまでの距離感をはかって、二遊間のポジショニングを確認しているスキを突かれる。佐藤輝にとっては今後に生かしてほしい経験になりました。戦力層が厚いので大崩れするチームではありませんが、いかに接戦をとっていくかは今後の課題ですね。

【取材・構成=寺尾博和編集委員】