現役時代は阪神一筋22年、4番や代打の神様で活躍した日刊スポーツ評論家の桧山進次郎氏(53)が試合をチェック。9回2死から逆転負けを喫した場面で、センター近本光司外野手(28)のポジショニングに「悔いが残る」と指摘しました。【聞き手=松井清員】

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岩崎が9回、中村晃に左中間への逆転二塁打を浴びた場面は、あらかじめ左寄りに守っていなかった中堅近本のポジショニングに悔いが残ります。同点の二塁走者は仕方ない当たりでしたが、一塁走者まで生還させてはいけません。同じ外野手としての経験も踏まえて、守備位置次第で勝ち越しは防げたのではと感じて仕方ありません。

1点リードの2死一、二塁でカウントは2-2。左打者の中村晃は相手が左腕の岩崎なので、引っ張るのではなく、押っつけて反対方向に打つイメージがあったと思います。特に2ストライク後は、その意識がより強くなったはずです。当然、守る側はその状況を察知して、左方向に寄らないといけない。2ストライク後はなおさらで、1歩でも2歩でも左寄りを意識する必要があります。ガツンと右中間を破られたら仕方ないぐらいの割り切りです。

でも近本はほぼ定位置だったので、左中間に押っつけてきた打球に全く追いつけず、処理したのも左翼手のノイジーでした。フェンス際まで飛ばされたのではなく、外野手が前で処理できる打球だったので、左に寄っていれば一塁走者を三塁で止められたはず。岩崎が8番甲斐にもったいない四球を出したために、一塁代走で俊足の谷川原が送られ、結果的に逆転ホームを許すわけですが、近本のポジショニングにももったいなさを感じてしまいます。

湯浅が再調整になり、7回に1点差に迫られる2ランを浴びた及川も含めて、新しい方程式の難しさを感じた試合でもありました。でもチーム状態は悪くありません。5月が強過ぎたので物足りなさを感じるかも知れませんが、交流戦はほぼ五分の7勝9敗1分けで、慌てる必要はない。でも最終戦の18日は良い形で勝ちたいですね。再開リーグ戦は2位DeNA3連戦で、相手も今永やバウアーらをそろえてきます。連敗フィニッシュと気分良く仕切り直せるのは違う。しっかり締めたいところです。(日刊スポーツ評論家)

阪神対ソフトバンク 9回表ソフトバンク2死一、二塁、一塁走者代走谷川原は中村晃の左適時二塁打で本塁に激走し生還。捕手は坂本(撮影・加藤哉)
阪神対ソフトバンク 9回表ソフトバンク2死一、二塁、一塁走者代走谷川原は中村晃の左適時二塁打で本塁に激走し生還。捕手は坂本(撮影・加藤哉)