野球の勝敗を分ける一番のポイントは、先発投手だと思っている。ロッテは右肘を痛めていた種市が、9月28日以来の先発。負けたら終わりの試合であり、シーズン終盤から先発の駒不足で苦しんできたチームの“台所事情”を象徴するような試合だった。

23日ぶりのマウンド。種市のような伸びのある真っすぐで勝負するタイプは、右肘の不安は大きなマイナスになる。投手はリリースする瞬間、指先でボールの上を押さえ込むようにしてスピンをかける。そのため、肘に不安があると押さえ込みが不十分になって抜けてしまい、高めに浮いてしまうからだ。

1回、森に先制2ランを浴びた。打たれたのは内角の真っすぐ。高めのボールゾーンであり、これを仕留めた森を褒めるべきだが、球速は145キロで少しだけシュート回転していた。種市にとって、本来の真っすぐではない。以降は2回と3回で3奪三振。手探りで投げていた初回が悔やまれる内容だったが、なんとか先発するまで調整してきた心意気は感じられた。

それにしても、CSで投げたロッテの先発陣は苦しかった。ファーストステージからの投球回を順番に挙げる。

初戦 佐々木朗 3回

2戦目 西野3回

3戦目 小島6回1/3

4戦目 美馬4回

5戦目 メルセデス5回

6戦目 沢村1回

7戦目 種市3回

短期決戦7試合で最長が小島の6回1/3で、5回まで投げた投手が2人しかいない。ケガ人がいて苦しい状況なのは理解しているが、それでももう少しやりようがあった。

一番の問題は佐々木朗の起用法だろう。今試合までに短いイニングでも2度、先発できるならいい。1度だけで3回しか投げられないなら、ソフトバンクと勝負のかかった3戦目か、オリックスとの初戦になる4戦目が妥当だろう。吉井監督は十分、佐々木朗を大事に起用している。しかし、これほど登板メドが立たない状態なら、初戦の先発は回避させた方が良かった。個人的にも楽しみにしていただけに、残念だった。

結果、小島とメルセデス以外は先発の役割をこなせなかった。厳しい状況でシーズン2位を確保し、ここまで戦ったと思う。リリーフ陣はよく投げていた。ただ、実力は文句なしでも、エースのような扱いで佐々木朗を起用するのは、現時点でチームに支障をきたす可能性が高い。踏ん張って投げてきた他の投手は、納得しているのだろうか?

オリックスはコンディション不良で4戦目の先発になった宮城が6回無失点。万全な状況で先発させられる余裕がある。独走Vを飾ったオリックスと、なんとかやりくりをしながらここまでたどり着いたロッテとの大きな差だった。(日刊スポーツ評論家)

オリックス対ロッテ 試合後、ファンにあいさつした後、引き揚げる佐々木朗(左)に声をかける吉井監督(撮影・狩俣裕三)
オリックス対ロッテ 試合後、ファンにあいさつした後、引き揚げる佐々木朗(左)に声をかける吉井監督(撮影・狩俣裕三)
キャッチボールを行う佐々木朗(撮影・前岡正明)
キャッチボールを行う佐々木朗(撮影・前岡正明)