巨人のドラフト1位・西舘勇陽投手が、対外試合でデビューした。先発した2イニングで1失点。初戦の緊張を差し引けばまずまずの内容ではあったが、即戦力投手として先発ローテーションを任せるには、まだまだ越えなければいけない「プロの壁」がたくさんあった。

実戦に入って、どうしても気になる点があった。コンパクトというか、テイクバックが小さく、下半身の使い方も慌ただしく動かして投げる独特な投球フォームをしている。この投げ方で、打者がタイミングが取りにくいのであればいい。しかし、コンパクトなタイミングでしか投げられないなら、かえってタイミングは取りやすくなってしまう。韓国チームの打者も、西舘の真っすぐに対してタイミングが合っていた。

もう少し、軸足に体重を乗せて投げられた方がいい。その方が下半身の力をボールに伝えることができる。西舘の真っすぐはスピードこそあるが、タイミングが取りやすいし、球質が軽そうに感じる。入団したばかりのドラ1投手にフォームの改造を勧めるのは気が引けるが、先発投手として長いイニングを投げる目標があるのなら、ちょっとずつでも下半身を粘り強く使って投げられるようにした方がいいだろう。

そうやって投げられれば、今のタイミングで投げる真っすぐが打者にとって厄介なフォームとして機能する。コンパクトでやや突っ込み気味に投げるため、大きく腕を振れないが、下半身に粘り強さが出てくれば変化球のキレも上がるだろう。初回1死三塁、3番打者に対してカウント0-1からフォークが低めに決まったが、ハーフスイングでバットを止められてボールになった。真っすぐ1本で待っている打者だけに、もう少し真っすぐに威力があるか、変化球にキレがあれば空振りを取れていただろう。

ルーキーに対して注文が多くなったのは申し訳ないが、もっと良くなりそうな資質を持っているからこその“小言”だと受け取ってほしい。今試合では若い投手が短いイニングを投げたが、どの投手も高い資質を持っている。西舘に限らず、この中から長いイニングを投げる先発投手が育てばチーム力は上がると思う。

長い間、監督を務めていた原監督に替わって阿部新監督が指揮を執る。打者を見ても、5打点を挙げた佐々木を筆頭に、若手が一気にレギュラーを狙えるチャンスイヤーと言ってもいいだろう。若手のハイレベルな競争を期待している。(日刊スポーツ評論家)

巨人対サムスン 先発登板する巨人西舘(撮影・河田真司)
巨人対サムスン 先発登板する巨人西舘(撮影・河田真司)
巨人対サムスン 1回表を抑え、笑顔でナインを迎える巨人西舘(撮影・河田真司)
巨人対サムスン 1回表を抑え、笑顔でナインを迎える巨人西舘(撮影・河田真司)
巨人対サムスン 2回表、力投する西舘(撮影・河田真司)
巨人対サムスン 2回表、力投する西舘(撮影・河田真司)
巨人対サムスン 2回表を抑え、ナインを迎える西舘(右)(撮影・河田真司)
巨人対サムスン 2回表を抑え、ナインを迎える西舘(右)(撮影・河田真司)
巨人対サムスン 2回表を抑え、ベンチに戻る西舘(撮影・河田真司)
巨人対サムスン 2回表を抑え、ベンチに戻る西舘(撮影・河田真司)