現役時代は近鉄一筋17年で4度の盗塁王に輝き、オリックスで監督を務めた日刊スポーツ評論家の大石大二郎氏(65)が試合をチェック。広島に通算10戦8勝の好相性だった阪神先発大竹耕太郎投手(29)が敗れたわけは? 大竹の適時打による1得点で敗れた阪神打線にも注文を出しました。【聞き手=松井清員】
広島打線には、今日こそ大竹をとらえるんだという明確な意図が見えました。これまでは強引に引っ張りに行って術中にハマるケースが多かった。でもこの日は、中堅から逆方向を意識した打撃が目立ちました。
象徴は2点を追加した7回の攻撃でしょう。1死から菊池が超スローボールを中前にはじき返しました。遅い球は引っ張りたくなるところでぐっと我慢し、続く堂林も中前に落としました。会沢の適時打も中堅返しの意識があるから体の軸がブレず、内角球を左前に落とせました。大竹のような交わす投手は、引っ張ってくれるとくみしやすい。ところが左前に4点目のタイムリーを放った矢野も4打席とも反対方向。好調な打線の成せる業でもありますが、2回に中越えの先制2点適時打を放った堂林の打撃をはじめ、苦手攻略への強い意図を感じました。
阪神では好調だった先発が打たれ始めたことが気がかりです。9連戦が始まった今週は才木6回4失点、及川5回途中4失点、村上6回4失点、そしてこの日の大竹が7回途中4失点。これまでは先発が続けて3、4点を失う試合は少なかったのですが、7回を1失点に抑えたビーズリー以外は夏場の疲労も感じます。
では誰が助けるのか。それは前半戦、投手陣におんぶに抱っこだった野手陣です。この日も森下の制球が定まらなかった序盤にもう1、2点取っていれば展開は違ったはず。得点は大竹のタイムリーだけですからね。この先の酷暑残暑は投手陣にとって本当に苦しい季節です。借りはいつ返すのか? 今でしょ! そのフレーズがぴったりです。
首位広島と4ゲーム開きましたがまだ39試合、直接対決も7試合あります。挽回チャンスは十分あるので焦る必要はない。でも3タテは阻止しないといけません。高橋が3年ぶりに先発する今日こそ、野手陣が援護して意地を見せる時です。(日刊スポーツ評論家)




