浅野のバッティングが非常に光った試合だった。前日は大敗し、阿部監督も試合後の会見をキャンセルしていた。カード初戦を落とし、それも下位球団相手となれば、この試合は何が何でも取らないといけない。
そういう背景の中、ベンチは2番吉川と6番浅野を入れ替えたのだが、それが理想的に機能した。とりわけ浅野は好調だ。打席で何を狙うのか、目的がはっきりしているように感じる。
初回のソロホームランには思い切りの良さが感じられ、また第3、4打席の左中間への二塁打と中前適時打は、ミート中心でコンパクトなスイングが目を引いた。
プロ2年目だが、実質的にはルーキーのようなものだ。その若手がこれだけのバッティングで勝利に貢献している。優勝争いをするチームにとり、大きな戦力になっている。
ゆえに、2番浅野には調子が良く、結果が出ている今だからこそ、先を見据えたアドバイスをしておきたい。今月のように結果が出ていると、対戦チームはどんどん弱点を突いてくるようになる。簡単には打たせてくれなくなる。
残り試合も少なくなり、ペナントも佳境を迎える。そうなると先発にしろ、中継ぎにしろキレのある変化球で攻められる。そうした時、2番打者に求められるのは、具体的には右方向へ打って走者を進める進塁打と言える。
それも、カウントによってある程度自分で考え、準備しておかなければならない。追い込まれた時に、簡単に遊ゴロではチームとしてチャンスメークができない。
今の浅野にチームバッティングが出来ていないという意味ではなく、ここから先、状況判断が求められるシチュエーションにはいくらでも直面する。そのために、練習からあらゆる状況を想定して、振っておくことだ。
今のうちにどんどん考えながら打席に立つこと。結果が出た時ほど、きめ細かい練習をすること。そして、安心しないことだ。バッティングは1日1日変化していく。
無死二塁でキレのいい変化球に苦しみながらも、進塁打で1死三塁を作れたなら、主軸につながり、打線の厚みが増す。浅野にはその可能性がある。ここは先んじて、あえて厳しめのアドバイスをさせてもらった。(日刊スポーツ評論家)




