阪神はなぜ独走優勝できたのでしょうか。

2年前にリーグ優勝、日本一を達成した主力勢がさらに成長。投手陣容も12球団屈指。もともと戦力はそろっていましたが、主力にケガ人がほぼ出なかった事実が何より大きかったと感じます。巨人は岡本和選手、ヤクルトは村上選手、DeNAはオースティン選手や牧選手が負傷離脱した途端、苦戦を強いられました。年間を通して1~5番の打者を固定できたチームは、12球団を見渡しても阪神の他にいなかったはずです。

もともと阪神には体のケアや準備への意識が高い主力選手がそろっています。その上、今年は藤川監督が長いシーズンを見すえてコンディション管理を重視したことで、選手の負傷リスクが一気に軽減された印象です。少しでも疲労が見えたら、投手には2軍再調整期間を与え、主力野手もスタメンから外す。首脳陣の徹底したマネジメントが、優勝の土台となったことは間違いありません。

一方で、飛び抜けた投手力も野手陣のケガ予防にひと役買ったと感じています。守る時間が短ければ当然、野手の疲労は減ります。安定した投手力はチーム全体に落ち着きをもたらすので、無謀なプレーも生まれにくくなります。絶対にセーフにならなきゃ、アウトを取らなきゃと切羽詰まった時、選手はケガをしやすくなるものです。一塁手がベースから無理にもうひと伸びして足を肉離れしたり、走者が不必要に頭から突っ込んで指を突いたり…。そういったプレーが生まれにくい土壌が、阪神にはあるように映るのです。

投手力に秀でているから余裕を持って戦える。落ち着いてプレーできるからケガ人も生まれにくい。ケガ人が出ないから強い。強いから主力選手を休ませたり若手を抜てきしたり、余裕のある選手起用に踏み切れる。このような好循環が1年間途切れなかったところに、25年タイガースの強さを感じます。(日刊スポーツ評論家)

阪神対広島 優勝を決めた佐藤輝(中央)は藤川球児監督と抱き合って喜ぶ(撮影・上田博志)
阪神対広島 優勝を決めた佐藤輝(中央)は藤川球児監督と抱き合って喜ぶ(撮影・上田博志)
リーグ優勝を果たし佐藤輝(左)とハイタッチをする大山(撮影・石井愛子)
リーグ優勝を果たし佐藤輝(左)とハイタッチをする大山(撮影・石井愛子)
阪神対広島 優勝を喜び合う阪神才木(左)と佐藤輝(撮影・西尾就之)
阪神対広島 優勝を喜び合う阪神才木(左)と佐藤輝(撮影・西尾就之)
阪神対広島 リーグ優勝を決め輪の中で笑顔を見せる森下(左)と佐藤輝ら阪神ナイン(撮影・加藤哉)
阪神対広島 リーグ優勝を決め輪の中で笑顔を見せる森下(左)と佐藤輝ら阪神ナイン(撮影・加藤哉)