阪神が日本シリーズ進出を目指し、15日から始まるCSファイナルステージ(甲子園)に向けて調整を重ねています。現役時代は阪神一筋22年、4番や代打の神様で活躍した日刊スポーツ評論家の桧山進次郎氏(56)が、CS突破対策を指南しました。【松井清員】
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15日に初戦を迎えるCSファイナルステージまでの調整は、非常に難しいと感じます。9月7日のリーグ優勝後、残りの公式戦もありましたが緊張感が全く違います。ましてや1カ月以上空いて、突然ガチ本番の短期決戦です。特に不安要素が多いのは野手陣でしょう。悪天候が予想されるため、佐藤輝らの主力が宮崎でフェニックスリーグへの参加を取りやめたようです。相手はほぼ2軍投手で正直、レベルが違うので、ある意味よかったのかも知れません。私も05年のリーグ優勝後に参加しましたが、あまり収穫は得られませんでした。宮崎では1試合ごとに環境が整っていない地方球場を転戦するので、連日のバスでの長距離移動も含めて、バテて帰ってきた記憶があります。少し試合勘は養えましたが、ケガをさせては大変なので、相手も外角中心の配球で内角には投げてきません。このあたりも難しいところです。
実際、05年の日本シリーズではロッテ投手陣を全く打てず、0勝4敗の完敗でした。リーグ2位から上がってきた勢いもすごかったですが、レベルの高い自軍の投手陣相手に、もっと目慣らしした方がよかったと感じたものです。宮崎への派遣が見送られた佐藤輝らの主力は今後、シート打撃などの実戦形式で試合勘を養うことになると思います。それだけに満足せず、12球団一の力を誇る味方の1軍投手陣のブルペンに出向いて打席に立ち、球筋を確認することも大切です。CS本番でいきなり訪れるシビアな打席を想定して、ひと工夫もふた工夫も対策が必要に思います。逆に投手陣は宮崎に行くと、味方相手の紅白戦では投げられない内角にもバンバンいけます。相手打線のレベルはさておき、投球感覚を確認する上でも、メリットは大きかったのではと思います。
甲子園のファンもリーグ優勝を決めてからは、まったり見ている感じに見てとれました。みんなCSに向けていろいろ戦力を試したり調整していることも分かっているので、勝敗度外視でオープン戦のような雰囲気すら感じました。でもCSが始まれば一変し、これだけ独走優勝しながら、2位や3位には負けられない、日本シリーズに必ず行かないといけないという、緊迫感に包まれるでしょう。DeNAと巨人はCS本拠地開催をかけて9月末まで真剣勝負を重ね、ファーストステージで試合勘を取り戻して甲子園にやってきます。阪神はどう引き締め直し、個々の状態もチームのムードも優勝決定前に戻せるか。1日も無駄にできない大事な期間が続きます。




