どういう表現をしていいのか分からないが、勝敗を抜きにした視点で、試合を楽しんで観戦できた。高卒のプロ入り2年目の柴田が、「7番投手」で先発出場。“二刀流”としてどのくらいやれる可能性があるのか? 興味は尽きなかった。

まず投手として見ると、真っすぐは最速150キロで、コンスタントに140キロ台後半をマークしていた。高卒2年目の投手だと考えれば、これだけでも十分、合格点を与えられる。打者としても第1打席、外角の変化球に体勢を崩されながら当てにいくようなスイングになったが、打球は左翼フェンス手前まで飛んでいた。体格も187センチ、95キロと恵まれており、二刀流にチャレンジする素材として十分な合格点を与えられるだろう。

ただし、投打のプレーをプロの視点として別々に見ると、まだまだ課題はある。打者としては4回表1死一塁、フルカウントから甘い真っすぐに詰まり、二ゴロ併殺。カウント3-1から甘いスライダーを見逃し、フルカウントになってからやや内角寄りの真っすぐを打ち損じた。真っすぐを待っていても、甘い変化球は振ってほしかったし、変化球を見逃したなら真っすぐはもう少ししっかり捉えてほしかった。

投手としては4回裏2死満塁、フルカウントになっても、ゆったり左足を上げて投げていた。走者は投球動作と同時にスタートを切れる状況。ここではクイックで投げなければいけないが、まだそんな余裕はないのだろう。

今後のために課題点を挙げたが、試合開始前から雨でぬかるんだマウンドで、相手の先発は左腕だった。左打ちの柴田にとって悪条件がそろっていた。そんな中で4回1失点は上出来といっていい。

これは個人的な意見だが、二刀流をやるなら右投げ左打ちが有利だと思っている。打つときと投げるときに後ろにある軸足が違うため、扱い方は難しくなりそうだが、メリハリはつけやすい。さらに疲労やケガの軽減につながりそうだと感じる。実際、ドジャース大谷は右投げ左打ちだし、二刀流から投手に専念するDeNA武田、現状は野手起用に軸を置く日本ハム矢沢は左投げ左打ちだ。

あと2年くらい続けてどうなるのか? もともと大谷しか成功していないのだから、難しいとは思うが、成功する可能性は十分にあると思う。今後も楽しみに注目していきたい。(日刊スポーツ評論家)

広島対日本ハム 2回2回表日本ハム2死、柴田獅子は左飛(撮影・加藤孝規)
広島対日本ハム 2回2回表日本ハム2死、柴田獅子は左飛(撮影・加藤孝規)
広島対日本ハム 2回裏広島1死、サンドロ・ファビアンに先制左越え本塁打を浴びた日本ハム先発の柴田獅子(撮影・加藤孝規)
広島対日本ハム 2回裏広島1死、サンドロ・ファビアンに先制左越え本塁打を浴びた日本ハム先発の柴田獅子(撮影・加藤孝規)