東京ドームで「レジェンズシート」の解説があり、試合前練習から見せてもらいましたが、巨人には今シーズンの阪神との相性は度外視の雰囲気が漂っていました。大事な一戦にかける意気込み、必死さがひしひしと伝わり、それが試合内容にも結果にも出ました。
打線は今季4勝を献上している村上相手に2回までにフルカウントが5度。粘って粘って食らいつき、54球を投げさせて1点をもぎ取りました。チームが束、打線が文字通り線になってかかってきていたので、村上も大胆な投球ができなかったと思います。でもこの状況でも粘って粘って1点に抑えたのは大したもので、称賛すべき投球でした。
対照的に阪神打線は、あまりにも淡泊でした。竹丸はほどよく荒れた真っすぐのキレがよく、右打者にはツーシーム系の落ち球が効いて攻略が難しかったと思います。でも巨人のように粘ったり、四球でも何でも出ようといったボディーブローがなかった。一発で仕留めてやろう、俺が決めてやろうと、個人で戦っている印象でした。チーム力で戦わないといけない重要な試合で、「個」VS「束」の差が勝敗に表れました。
いよいよ0・5ゲーム差になりましたが、追いかける巨人の方が楽でしょう。今月3日には最大5ゲームも離されていたので、当たって砕けろ的に戦えます。チーム内の高い競争意識も見て取れて勢いがあり、救援陣の安定感も今のリーグで一番です。残り15試合の内訳は大きく負け越している阪神戦が1試合。他の14試合は勝ち越している4チームとの対戦なので、普段通りに戦えると思います。
一方で巨人より4試合多い阪神は、星が5分のDeNAと広島戦を計11試合残し、19試合全部が疲労のたまりやすい屋外というのも気がかりです。今年は甲子園での勝率も5割ちょうど。この日の負けで阪神に焦りが出てくると思います。
他球団が恐れる強力なクリーンアップでも、淡泊になると相手もくみしやすいものです。リーグ連覇するためには初心に返り、チーム力で勝つ工夫が必要です。(日刊スポーツ評論家)




