プロ野球番記者コラム

1年目の阪神キャンプ…虎党、読者のため熱意負けん

<ニッカンスポーツ・コム/プロ野球番記者コラム>

思い知らされた。1年目社員の私が虎番になったのは11月1日からだった。「野球選手に会える」。異動の話を受けたとき、真っ先に思い浮かんだのはそんな甘い考えだった。

安芸キャンプのカット写真(撮影・前岡正明)
安芸キャンプのカット写真(撮影・前岡正明)

高知・安芸で行われている阪神の秋季キャンプには毎日多くのファンが訪れる。応援する選手を一目でも見ようと遠方からもやってくる。「秋山選手、頑張ってください!」「岩崎選手、サインください!」。老若男女問わず、警備員が制御するギリギリのエリアまで近寄り、選手に呼びかける。駐車場には大阪から約310キロもの距離を走ってきた「なにわナンバー」の車も。チームを取材しながら、ファンの応援する気持ちの「本気さ」をひしひしと感じている。だからこそ、選手たちの情報、言葉を正確に伝えたいという思いが強まってきた。

ある日のブルペンで山本昌臨時投手コーチが望月投手のボールに対して「エグい!」と連呼した。見ていた観客にとっては何がどう「エグい」のか。練習後の望月投手をひたすら待った。「腕がしなやかにムチのように使えている。それによってボールへ力が伝わりやすい」。駆け出しの私が手に入れられたのはこの一言だった。ベテランの先輩記者のように感動的な原稿はまだ書けない。でも本気で応援する虎党、読者のため、取材への熱意で負けていられない。

事実を伝えるため選手を何時間でも待ち、その日の回答を聞く。全ての取材が思い通りにいくはずがなく、プレッシャーもある。そんな中、スタンドからは「昨日新聞で読んだんだけど…」という声が聞こえてきた。新米記者にできることは何かを、たくさんの虎党から教えてもらっている。【阪神担当=只松憲】

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