ソフトバンクのドラフト2位、東海大の海野隆司捕手(22)が25日に仮契約した。都内のホテルで行われ取材した。22歳の若者だ。ふと海野が生まれた年が気になった。1997年(平9)。それは私がダイエー担当だったころだ。その年のオフにアマ野球などの担当に代わった。あれから22年、ちょうど海野の人生の期間ぶりに、この秋からホークスの担当記者として復帰することになった。

南海が身売りしてダイエーとなり福岡へやってきた。その後、記者2年目の私が、今では知る人ぞ知る平和台球場で92年から担当記者となり94年まで務めた。現在球団会長の王監督が指揮を執った95年から1度担当から外れ、97年だけ担当した。今回は担当記者「22年ぶり3度目」となる。長いだけがとりえだ。弱い時代しか知らず、優勝原稿は書いたことがない。その間、いつの間にか常勝軍団になった。

11月からの宮崎秋季キャンプで担当のあいさつするとみんななつかしんでくれた。工藤監督は22年前、ダイエーの投手だった。和田は高校時代から甲子園で取材したこともある。「ルーキーのころからですよね。またよろしくお願いします」と言ってくれた。同じく「松坂世代」の吉本3軍打撃コーチは九州学院時代から取材している。若田部3軍投手コーチにいたっては、ルーキーだったシーズンが自分の記者デビューだった。「その年になって、また担当記者も大変ですね」。白髪交じりの若田部コーチからそう言われ、寂しくなった自分の頭頂部をなでた。

冒頭でも書いたが、今年大卒で入るルーキーは自分の息子の1つ年下になる。もう息子みたいなものだ。来年2年目になる甲斐野は息子と同学年になる。今オフの契約更改では、いくらアップするのだろう。少し、親の気持ちにもなったりした。

高校時代から取材経験があり、現在はチームのあるスタッフから冗談交じりにからかわれた。「また下っ端からやり直しなんですか?」。そうだ、初心に返って頑張ろう。54歳になる来季、「福岡ペイペイドーム」が私の「本拠地」にもなる。【ソフトバンク担当 浦田由紀夫】

10月30日、ソフトバンク和田がヤフオクドームを訪れ、秋季キャンプへの意気込みを口にした(撮影・浦田由紀夫)
10月30日、ソフトバンク和田がヤフオクドームを訪れ、秋季キャンプへの意気込みを口にした(撮影・浦田由紀夫)